2016年06月18日

やっと…

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私がまだ20代だった頃、母と一緒に京都の寂庵へ行ったことがあります。
それからしばらく寂庵便りという新聞のようなものを定期購読しておりました。

いつの頃だったか、その寂庵便りに抽選で何名かに手彫りの仏様のプレゼント、
というのがありましてそれに母は応募したようです。

応募したことも忘れていた頃、ある日母は夢を見たそうです。
光が空から降りてきて手で受けるとそこに小さな仏様が乗っていた、
そんな不思議な夢をどうして見たのだろうと思っていたら
この仏様が届いたと。

何でも、盲目の仏師さんが彫られた『十一面観音』だとか。
手のひらに乗せるとなぜかほんのり温かいのです。

母はこれをお守りにしてずっと肌身離さずに持っていました。
自分の体が辛いとき、これをさすっては祈っていましたっけ。

『自分がいなくなったら次はお前がこれをお守りにしなさい。
 これと一緒にお前を守ってあげるから』

そう言われていたのですが母の遺品整理してもどこからも
出てきません。

誤って捨ててしまったのかと諦めかけていました。

今日、ずっと母の元に世話をしに通ってくれていた伯母が
『見つかったよ!』と私に渡してくれました。

伯母の荷物の中に母が入れていたようです。
晩年の母は突拍子もないところへ色々なものを詰め込んだり
していたので、こんなことになったのです。

古くなったコマ付きのバッグを庭で燃やそうとしたときに
『あ。何か入っている!』と伯母が中を探ったら出てきたと。

よかった。燃えてなくなるところでした。

やっと私のもとにやってきてくれたお守り。
大切にしますね。おかあさん。

明日は第三日曜日。

先月までは母がやって来ていました。
もう来てくれません。

もう来てくれません。

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2016年06月05日

とにかく体を動かします



今日は朝から父とスーパーへ。
お互いの買い出しをしてから父のところへ出動です。

母の着ていたものでもらってもらえるもの、そうでないものを分けます。
そしていらないものはゴミ袋に入れます。

一週間前、母はここにいた。
そう思いながら母の履いていた靴下をゴミ袋に入れていたら
涙が出てきます。

袋物が好きだった母のバッグ類はすごい数です。
誰かに使ってもらえそうでないものは処分します。
処分する前にやることは…ポケットの中の確認です。

やたら何かを仕舞い込む癖があった母だけに、色々なものが
出てきます。一円玉。クッキー。メガネ。

家具の隙間からカレンダーを丸めたものが出てきました。
そこにマジックで何か書かれています。

『重要な品すてるな』

何だろうと開けてみると母の完成した刺繍作品でした。

『おとうさん、これの額作って飾ってやろうね』
『そやな』

お昼はスーパーで買ってきた出来合いのお寿司で済ませたので
夜は普段の父が食べられないものを作ろうと思いました。

母の作った煮込みハンバーグが大好きだった父。

母の味は再現できないけどとりあえず美味しいものは作れます。
煮込みながら作業を続けます。

たまに残していたものを読んで涙が出てきますがともかく
体を動かします。

食後のデザートのメロンはおなか一杯で食べられないとのことでしたが
うすく切ったものを母の写真の前に置きました。
『おかーさん、大好きなメロンやで』

『おとーさん、おかーさんが食べた後にこれくらいだったら
 食べられるでしょう?』
『そやな』

食器を洗ってしばらくして

『おとーさん、おかーさんがもう食べたやろうから
 メロン食べたら?』
『そやな』

亡くなる二週間前にカットに行き、
亡くなる5日前までデイサービスに行き、
亡くなる4日前にメロンをモグモグしてくれた母。

きっと部屋で色々なものを処分している私たちに
『そんなん置いておいたらいいのに』
『それも捨てるの?』
と怒ってるやろうね、と父と言い合いながら
今日の作業は終了。

帰ってきたのは夜の8時過ぎでした。
しばらくはこんな週末が続きそうです。






posted by Avril at 22:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2016年06月03日

おかあさん、またね。

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母が逝きました。

風邪を引いてからほとんど食べることが出来なくなり、
言葉もほとんど発せなくなりました。

かかりつけの病院での点滴では一時しのぎにしかならず、
入院先を探しましたが満床。

父が、さいごまで家で看取る、と決めました。

口に食べ物を入れても歯と唇の間に留めてじっとしています。

『もぐもぐして!おかあさん、お願いやから』

『おかあさん、ごっくん、ごっくん、やで!』

飲み込めません。噎せて(むせて)何度も吐き出します。

背中をタッピングして収まったらまた食べ物を口へ運びます。

スプーンいっぱいのお粥を食べるのに2時間かかりました。

それでも何か食べてくれたら、と祈る気持ちでした。

先日も仕事を早めに終えて母の元へ行きました。

『おかーさん、来たよー』と声をかけながら母の枕元へ行くと
眠っているようでした。

『さっき水を含ませたんやけどな』と父がリビングからやってきました。

『あ、あかん!』と父が言いました。

朝から少し荒い息をしていたのが止まっていました。
脈も止まっていました。

うそや、うそや、うそやろ?
おかあさん、うそやろ?

おかあさん、おかあさん、

何度呼びかけても母は起きてくれませんでした。

調子が悪くなり、起きられなくなって数日のことでした。
お通夜、告別式とあっという間に過ぎていきました。

まだ信じられません。
第三日曜の早朝にまた父に送られてやってきそうです。
まだうちの廊下をトコトコと歩いていそうです。

おかあさん、おかあさん、

本当に眠っているような母に何度も話しかけました。
本当に綺麗な顔でした。
さいごのお別れの時に『おかあさん、またね』と声をかけました。

また会いたいよ。おかあさん。
ふざけたりケンカしたりしたいよ。
もっともっと世話するつもりやったのに。

まだ心の整理がつきません。
少しでも気持ちを整えようとブログを書いてみましたが
ダメですね。

まだまだダメなようです。


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posted by Avril at 11:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記