2019年07月21日

2019年パリ迷い歩き その7(最終章)

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parisでの最終日の朝。
とにかくオムレツをやっつけた。
食器は食洗機に入れてキッチン周りを綺麗にした。
数日間ありがとう。

ちょうどその朝は宿の前の高架下で市(マルシェ)が開かれているので
銘子はカメラを持って出かけた。

開店準備に忙しそうだ。

「写真撮ってもいいですか?」

銘子が尋ねると、煩わしそうにする人(忙しそうだった)も中にはいるが、
みんな「いいよ」と言ってくれた。


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生臭い匂いは全くないので新鮮なのだな、と思う。


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そうだ、白アスパラの時期だったんだ。
茹でて食べたかったなー。

大きないちご!日本の「あまおう」や「さちのか」みたいに甘くはないのだけれども
綺麗だ。


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ちらほら買い物客が出てきている。


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ここで買い物して料理したかったなーと銘子は思いながらシャッターを切った。


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日本の花屋さんの店先で、このディスプレーは見たことがないな。
この横積みは何かそれなりの理由があるのだろうな。
店先を通るだけで嬉しくなる美しさだ。


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チーズ屋さんがあった。

昔、みんなでツアー組んで滞在した際に、誰かがお土産用にマルシェでチーズを買った。
部屋に冷蔵庫はなく、そのままビニル袋に入れて帰国まで窓際においていたらしい。

それは徐々に強烈な匂いを放ち出し、本人は我慢するけれども
同室になった他の人はたまったもんじゃなく悶絶していたのを思い出す。

すでに銘子のスーツケースの余裕はなかったので今回は購入を断念。


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ホタテ。1枚だけって売ってくれるのだろうか?
今度行った時に試してみよう。


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頼んでおいたタクシーはきっかり9時にやってきた。
13時過ぎの飛行機だが、何があるか分からないのでいつも銘子は数時間前には
空港に着くようにしている。

「空港のどこ?」
「2Eです」

車内の会話はそれで終了。
運転手のおじさんは華麗なハンドルさばきで朝のラッシュを縫うように車を進ませた。
10時過ぎに空港着。

まずは免税手続きだ。
確か空港に『PABLO』という免税手続きをする機械があると言われていたので
案内のお姉さんに場所を尋ねるとすぐそこだと指差す。

あ、ここね。

たくさん機械が並んでいるので、ガラガラに空いている。
日本語バージョンが選べるのでボタンを押す。表示に従ってスイスイ進んで
あっという間に終了。

昔は延々並んだもんだ。いや〜便利になったなぁ。

スーツケースを預けて身軽になった銘子は出国審査へと向かった。
登場口は K51 だ。


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もうほとんど土産物は購入済みだが、なんとなく免税店をぶらぶらしてみる。

「何をお探しですか?」

次々と話しかけてくる店員さんの名札を見るとみんな中国人のようだ。
中国人スタッフが多いな、と銘子は感じた。

まだたっぷり時間があるので空港ラウンジで時間を潰すことにする。

ラウンジ入り口近くにラデュレがあった!
ああ…またマカロンを買ってしまった。
どんだけマカロン買って帰るのか。

ラウンジに入る。

席を取って貴重品だけ身につけて飲み物を取りに行く。
ちょうど朝とお昼の間だったので軽食はほとんどない。
しばらくするとランチの準備をし出したので銘子は整うまで席で待つことにした。

中央の大きなテーブルに山盛りてんこ盛りに置いてあるポテトチップスの小袋。
手のひらサイズの小袋をとりあえず3袋取ってみた。

ふと隣のテーブルを見ると、踏ん反り返って雑誌を見ている外国人おじさんのテーブルにも
3袋置かれていた。

ちょびっとビールを飲むときのアテにちょうどいい大きさの小袋。
持って帰りたい。バッグに入れたい。でもホール係のお姉さんが切れ目なく次々と
横を通る。

盗むわけではないのだし、3つくらいならその場で食べられる量だから…
色々思うのだが、堂々とカバンに入れるのは気が引ける。

そのとき、隣のおじさんが動いた!

俊敏な動きでポテチの袋をリュックに入れた。

え?

見回すとホール係のお姉さんがいない。

今だ!

銘子もバッグに3袋入れた。

ちょうどお昼の軽食が並んだところだったので銘子は取りに行った。

戻ってくると隣のおじさんのテーブルにはまた3袋ポテチがあった。

…まだ持って帰るの?
銘子は苦笑した。

ま、人のことは言えないか!

搭乗時間30分前になったので銘子は搭乗口へ向かった。


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予定通り機内に案内され、銘子は機上の人となった。


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あっという間の数日間。
ふと思い立って10年ぶりにさまよったParis 。
大きなトラブルもなかったので銘子のポンコツフランス語で何とかなった。
しかし自分でも驚くほど道を忘れていて、そして地下鉄の駅の早見表も地図も
老眼の銘子にはもう全くと言っていいほど確認できないようになっていた。

これからはスマホを持ち歩いてその場で確認できる状態にするか
今回のように出かける前に入念に乗換駅や地図を頭に叩き込むか
(その場合はイレギュラーなことが起こると困窮するのだが)
…まあ、今度行く時に考えよう。老眼鏡かけるか。

銘子はカバンの中に入っている写真立てをカバンの上から抱きしめた。
そして心の中で話しかけた。

おかーさん、また一緒に行こね。

ポテチの割れる音が返事のようにかすかに聞こえた。




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2019年07月20日

2019年パリ迷い歩き その6

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Paris滞在4日目の朝。

まだあるよー。オムレツ。
いつ無くなるのかなー?

腹ごしらえして、いざ出発。
まずは宿から歩いてすぐのBir Hakeim ビル・アッケム橋に向かう。


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銘子の宿がある Motte Picquet は地下鉄の駅だけど列車は地上に出ている。
その高架に沿ってセーヌに向かって歩いていく。


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ほうら、ここ。
セーヌを渡る橋で、このビジュアルが大好きな銘子は
地下鉄の列車がやって来るのを待ってシャッターを切る。


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この後、地下鉄6番線に乗って Raspail で乗り換えて4番線へ。
St-Germain des Présで下車。

ピエールエルメのマカロンを買うのだ!

途中、シティファルマにも寄ってバラマキ用のプチプラコスメを買い、
すぐ近くのピエールエルメでマカロンを買う。
何個入りの箱にするかを決め、そしてお姉さんに
一つずつ選んで箱に入れてもらう。

ああ、楽しみだー。日本に帰ってからのお楽しみだー。
明日は朝のうちに空港へ行かないといけないので
今日買わないとねー。

本日のランチは桐子さんオススメ、Poilâneのタルティーヌの予定。
それまではぶらぶら散歩。

あら、懐かしいエルベシャプリエがあるではないですか!
何年も前にここで買ったなー、と店先で見ていると
ドアが開き、「どうぞ」と日本人のスタッフが声をかけてくれた。

なんて事ないデザインなんだけど、飽きがこないので重宝している。
よし、自分用のお土産にするか!
小ぶりのバッグを買う。

そうだ、la Vaissellerie にも行かなくては!
全く愛想のない店員さん。ま、こんなものか。

laguiole のテーブルナイフを買う。
ステーキの時に使うのよーん。
とりあえず2本でいいっか。

またきた時に買いたして合計6本にはしたいな。

で、フラフラ行くと Chante livre という本屋さんが。
ここでカードを買う。切り絵でパリの風景を描いているカード。
見ているだけで楽しい。

おっとそろそろお昼の時間ではないか!

ポワラーヌへ向かう。
パン屋さんは店の中が満員。
あんなにギューギューでパン自体選べるのだろうか?

通りの並びにある Comptoir Poilâne に入ると銘子が一番乗りだった。
タルティーヌ。ポワラーヌのパンをトーストしてオープンサンドに
したもの。

しかし朝のオムレツが効いているのかまだそんなに空腹ではない銘子。
ふと見ると季節のスープ、というのがあった。
これにしよう。

ジローラモさんをフランス人にしたような(ちょいワルオヤジ風)の
おじさんが注文を聞いてくれる。

オープンキッチンになっていて調理の手元が席から見える。
奥で温めたスープを器に注いでイケメン青年がカウンターに置いた。
それまで暇そうにスマホをいじっていた、ちょいワルオヤジが手を止めて
すぐ(手を洗わずに)カウンターにある入れ物に手を突っ込んで
スープにトッピングしている。

おいおい。スマホってトイレの便座と変わらん雑菌まみれなのよー。
それともオヤジのスマホは除菌済みなのかー???

はい、どうぞ。

にっこり笑う、ちょいワルオヤジ。
仕方ないなー。


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小どんぶりくらいの大きさにたっぷりのスープ。
濃厚で美味しかった。

昔、銘子がフランス語を習っていた時に「フランス語ではスープは飲む、ではなく
食べる、という動詞を使います」と教わったっけ、としっかり思い出すようなスープだった。
しっかりmangerした。


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清算の際に目の前にあったタルティーヌの食品サンプル。
「写真撮ってもいいですか?」

ちょいワルオヤジは
「え?俺?」
髪をなで付ける仕草をする。

「ちゃうちゃうってば。こっち、タルティーヌの方」

「えーっ、そうなのー??」

軽いボケツッコミのやり取りをして店を出る。


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Maison du Chocolat に寄ってこれでほとんどのお土産購入は終了。

Sèvre Babylone から地下鉄で一旦荷物を置きに戻る。

すぐにまたでかける。再び地下鉄に乗る。

6番線で Place d'Italie へ出て7番線に乗り換え。
Louvre Rivoli で降りる。


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あともう一つ買い忘れていたというか行きたいお店があったのだ!


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Saint-Eustache教会の右手に見ながらその前の道を進む。


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途中で見た看板。
いや、ハッピーアワーが長い!
夕方4時から夜の9時までって?
いいなー。

え。ちょっと待てよ。
ビール50cl (500ml)が5€かー。
今のレートで\605。

50clって日本の生中の大きめジョッキくらいだから
断然、日本の方が安いのか。

先日飲んだビールは8.6€だったからハッピーアワーは
お得なのだけれども。

もともとParisの物価は高いのだったー。

そしてすぐに見えてくるこの店。
DEHILLERIN

料理の道具の卸屋さん。
もちろん小売もしてくれるので古くなっている
カード(お菓子作りに便利な道具)を買い足しに来たのだった。


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そのまま歩いて Opéra まで。


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すぐ先にある Galeries Lafeyette が本日のメインイベントなのだ。
渡仏前の下調べで、ここのサロンで『マカロン教室』が行われることを知り、
予約しておいたのだった。

まず会場のサロン入り口を確認する。
よし、ここだ。

あと数時間あるので次の時間つぶしに銘子は向かう。

エスカレーターで降りていくと…


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空中に通路が出っ張っている!


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そう、これはGLASSWALKという催し。


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無料なので並んでみる。
10分ほどで順番が来た。

足元が透けて見える。
う、足がすくむ!

かろうじてすりガラスになっている部分を進む。
あ。これ以上は無理。

通路の突き当たりは全くの透明状態。
さすがにそこへは行けなかった銘子であった。

この写真撮るだけで精一杯。


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そのあとは隣のデパート、Printemps Haussmann (プランタン)をぶらぶら。
ここのグルメ館がリニューアルしたそうなので覗いてみる。

PRINTEMPS DU GOÛT

うわ、楽しい。窓際のおしゃれなソファーとテーブルはイートインスペース?
今度の渡仏の際には絶対にここに時間を割こうと心に誓う銘子であった。

またまたラファイエットに戻るとあと30~40分。
このマカロン講座は夜7時くらいまであるので晩御飯を買っておこう。

昔、友人たちとParisを散策していた頃は食べ歩きを楽しめたのだが、
一人で行くことが増えたここのところ、銘子は夜は部屋で軽く何か
作って食べるようになった。
夜にレストランへ一人で出かけるのが億劫なのだ。

ラファイエットのグルメ館は道路渡ってすぐ。
ここでまた胃が欲している中華の惣菜を買う。

さ、時間だ。サロンへ向かおう。

時間通りに来たのは銘子だけ。


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30〜40分遅れで全員集合。1名ノーショー。
先生は東洋系の美女。
もちろん彼女はフランス語を流れるように話す。
この講座は日本語通訳付きなので安心だ。

日本語通訳付き、なので全員日本人かと思いきや、
なぜか日本語が話せないフランス人男性2名が参加していた。
お仕事関連でマカロンの作り方を学んでおきたいから参加したようだ。

メンバーはフランス人男性2名と日本人母娘の2名と銘子。
正面のテーブルに用意された材料と器具で流れるようにマカロンの
生地が作られていく。

先生が話し、男性陣がふむふむと頷き、通訳の人が話し、
銘子たちが頷く、時間差のふむふむの連続だ。


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この水色のコネコネする機械がないと多分、自宅では無理!


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生地をしぼり袋に流し入れて天板に出していく工程を体験させてもらう。


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生地は表面が乾くまで放置してそして焼くのだそうだ。

銘子たちはそれぞれの席に誘導されて2種類のソース作りを指導される。
ソースができた頃、焼いてあった生地が運ばれてきて(多分これは前の講座で
誰かが絞り出したものと推測する)それぞれ挟んで成形する。


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美味しそうに出来上がりました!
なぜか箱は3個入りのものなので1個はその場で出されたお水でいただく。


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レシピをもらったが、多分これからも作ることはないだろう。
かなり面倒だ。
マカロン1個の値段が高い理由がよーっく分かっただけでもいいっか。

外に出ると雨が降っていた。
さ、帰って晩御飯だ。


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つい先日も同じメニューだったかしらん。
今回は焼きそばも買ってみた。


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茶色い〜。


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電子レンジで温めてからフライパンで転がして皮をパリッとして、


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モロッコインゲンを加えて炒め直したチャーハン。


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何も足さず、何も引かないで炒め直した焼きそば。


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今回のParis最後の晩餐でした!

さ、寝る前にパッキングしないとね。




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2019年07月15日

2019年パリ迷い歩き その5

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Paris 3日目の朝。
何でだろう。スーパーで買い出しした時になぜか2回とも
6個入りの卵を買っていた。

銘子の滞在はあと1日。どうやって消費するのだ?

仕方ないのでスパニッシュオムレツを作る。


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できた。フライパンと鍋を使って徐々に小さく、
直径を短くして…おのずと厚みを出すように焼いてみた。
そしたら焦げた…。ま、いいっか。


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食べられるのは一切れくらい。うーん。どうやって消費しようか。
お腹いっぱい。さて、行動開始!

まず、Porte de Vanves へ地下鉄で移動。
そこからバスに乗ってサクレクールまで行くのだ!
バス95番線はめくるめく名所を通る観光ルートのような路線だ。


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地下鉄の駅のそばに停留所発見。


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ルーブルの横も通るし、


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オペラ座の横も通る。サクレクールに行きやすい停留所を確認して
バスに乗ったはずの姪子だったが、ふとメモを確認しているうちに
そこを乗り過ごしたことに気づいたのだった!

とにかく降りた。

サクレクールは丘の上の教会だから上へ上へ向かえばいいのは分かるが
どの道を上がればいいのか全く分からない。

ううう。

そして閑静な通りには通行人もいない。

ふと、その先に薬局がある。とりあえず入って何か買って
精算の際にさりげなく道を尋ねる作戦開始!

「あのー。ここってどこでしょう?」

銘子は地図を広げる。

「え?どこに行きたいの?」

「サクレクールです」

「ああ。じゃあ、店を出て、先書の角を左に曲がって
登って登って登るのよ!」

「は、はい。わかりました。ありがとう」

銘子は登って登って登っていくと左側に見慣れた景色が見えた。


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あの風車…見たことあるな。
近づいてみる。


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あ、ここ来たことあるな。


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またさらに登っていくともうサクレクールを目指す人が
ちらほら。土産物屋さんも見えてきた。すぐそこだ!


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眼下に広がるパリの街並み。今日の天気予報は雨だったはずだけど
すっかりぴーかん!


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青い空に映えますなぁ。

昔はこの一番上の塔に登ったっけ。今回はまたまた外観だけ見て
下ることに。

フニクラと平行している坂道を降りようとするとボードを持った
女性が近づいてきた。

「サイン!サイン!」

でた。サインしているうちにポケットやバッグを探られるパターン。
銘子はもちろんガン無視で通り過ぎる。


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お昼はまたまた情報をもらっていたレストランへ行くことに
決めていた銘子。
ここは開店前から行列ができると聞いていたのでサクレクールから
坂道を下ってすぐに向かう。


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開店10分前からこの行列。


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開店時間ちょうどにドアが開き、席に案内される。

「日本人?」「はい」

すると二枚のメニューを渡された。


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日本語メニュー、助かる!

まず、ミニデキャンタワインの赤を頼み、前菜にオニオングラタンスープを。


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続いて鶏のソテーを。たっぷりのフライドポテトが嬉しい!


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鶏はとろっとろ。骨がすぐに外れます。


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そして浮島のデザート。フッワフワのメレンゲとマロンペーストが合います。

銘子の隣のテーブルには外国人カップルがいて
(多分北欧の人のような感じ)通路を挟んで向こうの席に
パパとママと幼児と赤ちゃんの4人連れ。
(多分フランス人)

飽きてきた幼児は席を離れたくてウズウズ。
ママは赤ちゃんを抱っこしたままその幼児をなだめながら食べさせる。
パパはゆっくり食べている。
たまに「座りなさい」と幼児に話しかけるけど
そんなの聞くわけない。

しまいに赤ちゃんまでぐずりだした。
鳴き声が大きくなりかけたその時。

ママはカシュクールのニット(日本の着物のような打ち合わせ襟)の
前をガバッと開いたと思ったらプリン!と乳房を出して速攻で
赤ちゃんに含ませた。

え。今、プリン、って乳首見えましたけど。

もちろんその家族連れの隣にも席はあって、カップルが食事してて
ママの斜め前は男性が座ってたけど…

赤ちゃんは泣くことなくママの乳房に夢中。
すごい。

ママはそのまま猛然と食べ始めました。
ミルク出さないといけないもんね。
食べなきゃね。

パパは相変わらずゆったりお食事。

日本でもよくみる風景だけど、このおっぱいプルン!は
多分ないだろうねー。

さて。食後はまた戻って、布地屋さん巡り。

10年近く前に来た時にはもっと賑わってたんだけどな…
少し寂しくなっていました。思っていた布地とも出会えず。


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では地下鉄でズバーン!と凱旋門へ。


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凱旋門の上に登ろうかと思ったけど、ものすごい人数の中国人の
団体が並んでたので諦めて下から撮影だけにする。


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この先頭には流石に行けなかった。勇気あるなー。
曲がり損ねた車が膨らんで突っ込んでくることもあるだろうに。
想像力豊かな銘子は手前で写真を撮るに留めた。

さあ、エッフェル塔に会いに行こう。
KLEBER通りを進みます。


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結構歩いてシャイヨー宮に到着!


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お昼間に来たのは久しぶり。
ここのところ夜に撮影しに来てたしな。

昼間に行って気づいたこと。
この写真の左に並んだ女性像のお乳とお股の金色が
ハゲていた!


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わざわざ台の上に登って並んで触ったのね。たくさんの人が。
出ないと金色、ハゲないもんね。この、すけべー!


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ぴーかん。青空に映えますなぁ。(2回目)


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エッフェル塔を、見ながらセーヌ川を進みます。
あ。アレクサンドル3世橋が見えてきました。
この豪華な橋はとてもフォトジェニック。


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振り返ると逆光でいい感じ。


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少し行って左に折れたらコンコルド広場。


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左を見たら遠くに凱旋門が見えました。


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チュイルリー公園の入り口が見えました。
入りましょう。

あ。土の道が楽。
石畳とアスファルトですでに悲鳴を上げかけていた膝に
今更ながら気づいた銘子だった。


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突っ切ると小さな凱旋門が。
こちらが裏側。


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潜って正面がこれ。


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そして目の前にドーン。
ルーブル美術館。


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あんまり並んでなかったのでピラミッドから入場。
セキュリティーチェックは必須のようです。


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今回のルーブルの目的は地下のブティック。
美術館のブティックはとても楽しいので大好き。
ちょっとしたお土産も買えちゃう。

その後はリボリ通りを進んでパリ市庁舎へ。
その途中にKIKOというプチプラの化粧品店に寄る。

姪っ子たちが見つけたら寄ってみて、と言っていた店だ。

黒いTシャツに黒のデニムにエプロンのユニフォーム。
物色していたら店員の黒人のお姉さんが話しかけてきた。

「写真、撮った?」

え?化粧品の話ではなく…

「はあ。たくさん撮りましたよ」

「見せて」

銘子はいくつか写真を再生して見せた。

「ふうん…いいな。
 このカメラ、オリンパスよね?どう?いい?」

「軽いし使いやすいかな」

「この機種?」

銘子のカメラのストラップを見て言う。

「そうそう」

お姉さんはおもむろに自分の手のひらにその機種名を
ボールペンで書いた。

「写真好きなの?」銘子は聞いた。

「好き。いつも撮ってる」

「そうなのねー」

「じゃあ」

お姉さんは移動していった。
仕事しないのか。すごい。
自分の趣味の話だけして行ってしまった。


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そろそろ足が限界に近づいていた。
とりあえずBHVに寄ってざっと見て回り、地下鉄で戻る。
宿の目の前の店で本日のビール。

今日はベリーのビールにした。
ああ、甘いのが殊の外美味い。
疲れたのかなー?


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夜は何も作る気になれず、朝作ったオムレツをサンドして…
こんな晩御飯でした。


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こうして銘子の滞在3日目が終わったのであった。
明日は最終日だ。盛りだくさんだー。




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2019年07月09日

2019年パリ迷い歩き その4

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Paris 第2日目。
カリカリベーコンの目玉焼きを作ろうと思ったけど
細切れのベーコンしかなかったのでなんか違うー!
ま、いいっか。

パックのかぼちゃのポタージュも温めて少しミルクを入れてさらに
まろやかに。

朝から大満足の始まり。

で、今日は天気もイマイチなので passage 巡りすることに。

まずは Passage de Grand Cerf を目指すことに。
でも迷ってしまった。

あれ?ここが郵便局でしょ?で、ここの裏に回ったら…

銘子は斜めに伸びた道が苦手だ。まっすぐ進んでいるように見えて
実は行きたい場所から思いの外離れてしまっていることが多いのだ。

先日買った、地図はコンタクトレンズを入れた目では見えない。
老眼がひどくなっているようだ。

ポータブルのWi-FiはレンタルしていないのでWi-Fiが飛んでいないところで
ナビアプリは使えない。

ああ。もういい!

時計を見るともうすぐ12時。お昼ご飯だ。

友人に教えてもらったビストロが近くにあったっけ。

Le Mesturet

スタッフはランチ前にまかないご飯を食べていた。
店を覗くと「どうぞ!」と手招きしてくれたので銘子は店に入った。

案内されて席につこうとした時!

小さなテーブルの隙間から席につこうとした銘子だったが、
自分がリュックサックを背負っていたことをすっかり忘れていたのである。

あ。

思った時は遅かった。
テーブルにセッティングされていたグラスをなぎ倒してしまった。

「ごめんなさい!」

無言でグラスをかき集めるスタッフ。
心の中の声が銘子には聞こえたような気がした。

注文は席に案内してくれて割れたグラスを処理してくれたおじさんとは
違うお兄さんが聞きにきてくれた。

えーーーっと。
今日のオススメにしましょうか。
ボードを見る。


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ボードにある、メインとデサートの組み合わせにしよう。


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グラスワインを頼みました。
オリーブつまみながら料理を待ちます。


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きた!子羊。
久々のクスクスだ。

お肉の焼き加減が絶妙。
久々の羊はちょびっとクセがあったなぁ。


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デザートはティラミス。でかい。
でもしっかり食べてしまった。
これにエスプレッソをいただいて、33.7€ でした。

さあ、食後は歩くぞ!

近くの Galerie vivienne へ向かいます。


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あ。今日は日曜はお休みなのか。
中には入れそうだ。


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改修中のようでした。
面白そうなお店あったけどお休みだったら仕方ないな。


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次はどこに行こうか。
何となく歩いていたら、 Stohrer だ!
そっか。レアルの近所まで来てるのね。


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Saint-Eustache 教会が見えてきました。


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広場のオブジェも健在。


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今日は黒目は塗られてませんでした。

 Les Halles を突っ切ってノートルダムをめざすことにしましょうか。


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サマリテーヌ は工事中でした。
何だかパリ市内はどこもかしこも工事中。


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Pont Neuf が見えてきました。


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この日は猛烈な風が吹いていて、橋を渡っていると風で橋の端まで押されていって
しまうほど。何とか渡りきって…


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Place Dauphine (ドフィーヌ広場)に出ました。
さらに進んでいくと


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Cité 駅近くで恒例の『小鳥市』が開かれていました。
ピーチクパーチク、羽の色もカラフル!


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さあ、 Notre - Dame de Paris よーーーーっ!


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風が強いせいか、雨雲が飛んで行ったのでしょうか。いいお天気です。


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行列がすごかったので今回は入場せず。


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今回はざっと正面から写真を撮って、中に入らなかった…。
ああ、何でちゃんと見ておかなかったんだろう。

ここからの写真は2009年に撮ったもの。


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この尖塔は無くなってしまったのだな。


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また再建されたら行ってみよう。
いや、絶対に行こう。

ここが燃えているというニュースを聞いたとき、
本当にショックだった。

で、遠く離れた関西のおばちゃんですらこんなにショックなんだから
フランス国民、パリ市民にとったらどんなことか。。。


旅に戻りましょう。


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リュクセンブルグ公園を目指します。


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パンテオン見えた!


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風が強かったので閉園でした。残念。


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ラスパイユ通りを通ると、マルシェの後片付けか清掃車が来ていました。
ビオのマルシェ行きそびれた!

じゃあ、Le Bon Marché に行きましょうか。

あ。隣の公園も閉まってた!


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色々物色して、食材というか調味料などを買い込みました。
さ、宿まで歩くぞ!


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たまに見えるモンパルナスタワーで自分の位置を確認。

セーヴル通りからガリバルディ通りに進んでやっと
La Motte-Picquet Grenelle 駅に到着!

駅前のカフェでビールを一杯。


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あれ?コースターの模様は何だか見たこと…


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ある!どこにでもあるのねー。


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ボンマルシェで買ったワンコのお菓子。もちろんチョコレートではありません。
板チョコ状になっているだけ。

帰国して弟のワンコにあげようとしたら猛烈な臭い。
でもワンコの尻尾はぶっちぎりで振られてました。
素手で持ったら後でしっかり石鹸で洗いたくなるお菓子です。
(ワンコには好評)


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何となく気分は中華だったのでなんちゃってチャーハンとベトナム風揚げ春巻きを
買ってきました。


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生野菜を添えて、そして具材を加えてチャーハンは炒め直しました。


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第2日目はこうして終わったのでした!




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2019年07月06日

2019年パリ迷い歩き その3

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夜、夢の中で電話の呼び出し音が聞こえてきた。
目が覚めると本当に部屋の電話が鳴っていて受話器を取ると切れてしまった。
何だったのだろー?不思議に思ったけどそのまますぐにまた寝てしまった。

Paris 第1日目。

簡単なオムレツに昨日買ったお惣菜パン。きゅうりとチキンハムが挟んであった。
そしてきゅうりからの水分が出てかなりビチョビチョしていた。
今日は絶対にパン屋さんでちゃんとパンを買おう。

iPhoneに英文のメールが届いていた。
宿の予約サイトからだった。

「あなたはNo Show をしました。残念です」

え?なんで?

No Showとはホテル用語で『宿泊予定日になっても来なかった』ということだ。
え。私、ちゃんとチェックインして一晩ここで寝ましたけど。

フロントにはもう交代したのか昨夜のお姉さんはいなかった。
おじさんが居たのでルームキーとメールを見せた。

「?」

おじさんも不思議そうな顔をした。
「大丈夫、放っておいたら?」

「そうですね」

「じゃあ、いい1日を!」

まずはミッションをこなさなければ。

今回は10年ぶりのParisだ。道なんかほとんど忘れている。
なので姪っ子たちの買ってきてほしいリストを片手に街を徘徊することにする。
まずはLongchampだ。

まず、Motte Picquet 駅前の売店でPARI PRATIQUE(8€) を買った。
以前はこれがないと動けなかったし、10年ぶりだから買っておかないと
いけないような気になって。

そしてCarnet(14.90€)も。

8号線でMadeleineへ向かう。
ここからサントノーレまで歩く。
あった、あった。


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店内はwi-fiが飛んでいるので、ここでラインしながら
希望を聞きながら買い物する。ミッション完了。


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またMadeleine へ戻って12号線で  Sevres Babylones へ。
サン=ジェルマン=デ=プレでさらなるミッションだ。


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saint jamesのボーダーのTシャツも買った。
JO MALONEの香水も買った。
あ。あとPHILIPPE AU DIBERTの銀のブレスレットだ。

お店に入ると誰もいない。
奥からおじさんが出てきたのでiPhoneの画像を見せて
「こんなの探してるの」と言うとすぐに「あ。これね」
見つかった。

包装してもらっている間に他の商品を見せてもらった。
お客さんが入ってきた。

「あ、ここ!見つけた!」日本人だった。

銘子はちょうどおじさんに説明してもらってたところだったので
あえて自分が日本人だと言うこともないか、と思って
澄まして「さようなら」と店を出ようとしたそのとき!

ゴツン!

磨き上げられたガラス戸に激突。
開いていると勘違いしたのだ。
その戸を開けて店に入った銘子であったが。

おでこを強打。
「痛っったぁーーーっ!」咄嗟に日本語が出てしまう。

「大丈夫ですか、マダム!」

「痛ったー!(日本語)
 大丈夫です(フランス語)
 ごめんなさい(フランス語)
 ああ、びっくりした(日本語)」

ちゃんぽん。

窓についたおでこの油を拭こうとすると
おじさんが「いいよ、いいよ」と止めてくれた。

「ありがとう、さようなら」
「さようなら、気をつけて」

多分、お店の中の日本人カップルは失笑してたに違いない。

そして荷物を置きに宿に戻った。
その途中で花屋でミモザを買ったので飾ってみる。
いい感じ。


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宿の界隈を散策しようと部屋を出るとフロントの朝のおじさんが手招きをする。

「チェックインの時にパリ市税をもらってないみたいなんだよねー」
「え?」

宿泊代はすでにカード決済されているのだが、市税は宿で支払うことになっていた。
銘子はチェックインの時に何も言われなかったから出発の時の精算時に支払うのだと思っていた。

どうも昨夜、深夜の電話は「市税払って!」の電話だったようだ。

そこで決済終了。これで安心。

再び散策開始。大きなPHARMACIEがあったので
ここでまた頼まれていたプチプラコスメを大量買いする。

パン屋さんもあったのでバゲットを買う。
1本で1.74€だった。昨日のお総菜パン、高すぎる!!

買物に走り回ったからか昼を食べ損ねたので夕食をしっかりとろうと
またMONOPRIXで食材探し。

そうだ。ステーキにしよう。

お肉売り場にいたお兄さんに、

「ステーキ用のお肉って…?」と尋ねてみると
「これだね」と指差してお兄さんは親指を立てた。

「じゃあ、150gください」

「よっしゃ」


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脂が巻いてある。


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1kg 45.40€だから、1枚 \873なりー。
付け合わせのジャガイモにモロッコいんげん、玉ねぎは袋入りだったので
ポロ葱で代用することに。サラダ用の葉っぱにトマトにレモン…


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ジャガイモはピュレに、インゲンはバターソテー。
ニンニクはひとかけだけ持ってきているもんねー。


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お肉は巻いてあった脂を少し炙ったところに投入して
ミディアムレアに。

生野菜にはレモンと塩胡椒にオリーブオイル。


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塩とチューブわさびは持ってきたものを。


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赤ワインも開けて…


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美味しい1日目の夕食でした!









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2019年パリ迷い歩き その2

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ちょこっと免税店で買物をし、やっと機上の人になった銘子。
今回は行きはKLMなのでアムステルダム乗り換えだ。
いよいよ始まる!

高鳴る旅の思い…眠れない。
銘子は機内で映画を4本も観てしまった。

ALLI 〜STAR IS BORN
検察側の罪人
銀魂2
コーヒーが冷めないうちに

ALLIは何度もリメイクされているお話。
前回はバーブラ・ストライサンド主演だったよなー。
で、今回のレディー・ガガバージョンでも切なくて
そして歌唱に魅了されて。
筋は分かっているのにいいのだなぁ。

検察側の…はキムタクと嵐の二宮くんが好演。
銀魂は沢山の俳優さんが真剣におちゃらけているのが面白かった。
コーヒーが冷めないうちに、はいくつかのエピソードが
重ねられていくのですが、認知症の奥様(薬師丸ひろ子)のお話が出てきて
ツボにはまってしまい。号泣。声が出てしまった。

また違った方向から母を思い出してしまったようで。

4本映画を観るとヘッドホンで耳が痛くなる。
さすがに観すぎたかも。

アムステルダムではあっという間に乗り継ぎの1時間半が過ぎ、
雨のParisへ到着。

すぐにタクシー乗り場へ。
かなり整備されていてタクシーは一列になって次々とお客を乗せていく。

金曜日の雨の午後6時過ぎ。かなりの渋滞。
ごついアフリカ系のおじさんは車内でずっとパーカッションの音楽を
かけてました。アフリカの音楽のような、そうでないような。
太鼓のリズムで…猛烈に眠くなる。

1時間以上は経っただろうか。
やっと市内に入ったようだ。少し眠気が飛んだ。

「マダム、Motte Picquetの駅のそばですよね?」

おじさんが急に話しかけるので

「ああ、そうです。マクドナルドの隣だと思います」

「ええ?フランス語話せるのですか?」

「あ、少しだけ」

な〜んや、それやったら渋滞の間、話したのに〜、と
おじさんは弾丸トークに入ったがすぐに宿近くに着いたようだ。

「また空港に戻るのですか?」と問うと

「まさか!今夜は市内を回るよ」とおじさんは苦笑い。

荷物を降ろしてもらってさて料金を払おうと60ユーロだしたら
お釣りは帰ってこなかった。まあ、渋滞だったしね。

55ユーロ定額になった、というのはどの条件の時なのだろうか?

チェックイン。
今回の宿はホテルではなくアパルトマン形式。
キッチンが付いている。

タオルや諸々の替えが置いてある場所の説明など受けて
いざ、部屋に。


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ベッドはキングサイズかな?


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キッチンはオール電化。冷蔵庫と食洗機もある。


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トイレにはもちろんウォシュレットはないので…
今回は100円ショップでペットボトルに装着する
簡易ウォシュレットを持参。


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あら。嬉しい。浴槽がついてる!

そして部屋の窓からは…MONOPRIXが見えるではないですか!


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まだ店は開いている時間なので早速買い出しに。
パン屋さんは閉まっていたのでお惣菜パン(2.99€)を買いました。
高い!


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これで大体27ユーロくらい。
オリーブオイルに炭酸水、牛乳、卵6個入り、ミネラルウォーター
オレンジジュース、ヨーグルト、ビール(1664)!
惣菜パンにブルーベリーの量り売りとバター。

シャワー浴びたら速攻で眠りに落ちましたとさ。







posted by Avril at 18:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 愛の立ちくらみ劇場

2019年パリ迷い歩き その1

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3月8日、出発の朝。銘子は支度を終えて部屋を見回した。

準備よし。


あ。缶ビールの空き缶を部屋の外にだしておかないと。

ベランダの仮ゴミ置場からもどった途端にインターフォンが鳴った。

7時に予約してあったタクシーが到着したようだ。


いってきます。部屋を出るときに銘子は小さく呟いた。


タクシーに乗り、走り出した途端に運転手のおじさんが話しだした。


「ナビでお宅を指定したら、えらいややこしい道行け、言うんですわ。

言う通りにしたけど、来てみたらもっと簡単な道あったの分かったんですけどね」


「あ。そうですか。すみません」


「いやー、お客さん、良かったですわ。ほんまに綱渡りですねん、うちの配車」


「え?」


そこからやけに内部の話をしだす。

その話の合間に銘子はおずおずと言ってみた。


「あのう…昨日、予約した時は『ちょうどお車ございます』

って言ってくれましたけど」


「なにが『ちょうど』って?そんなん言うてましたか?

綱渡りみたいなもんでっせ。この7時ってのがややこしいんですわ」


「ややこしい?」


「みんな朝は眠たいでしょ?それでなくても運転手少ないとこにもってきて、

みんな遅めに出るからこの時間は車が少ないんですわ。

うちは6時、6時半、7時、7時半、8時出社でそこから18時間勤務。

私は今日は0時まで。会社は午前2時までの営業ですわ」


「あ。24時間営業じゃないんですね


「郊外のタクシー会社は大抵そんなもんでっせ。

もっと早くに仕舞うところありますからねー。

で、私が駅の先頭におったら指示きてここに来ましたんですけど、

この時間に駅で待ってたらいつも乗りはるお客さんいてましてね、

その人乗せてたら誰もこの7時のお迎え来られへんとこでしたんですわ」


なんだかよく分からないけど恩を着せられてる感じがする。

話題を変えようと目の前に掲げてある広告をみて銘子は言った。


「最近、スマホアプリから今いる現在地に配車してもらえるようになったんですねー?」


「それがですがな」


え。墓穴掘った???

おじさんはここぞとまた新しい話題で愚痴りだした。


「呼び出しあって、そこに着いたらお客さんいてはらへんこと多いんでっせ。

呼び出しといて流しのタクシー来たらそれに乗ってしまうんですわ」


あらあら。


「呼び出しは駅で並んでる先頭車に来るんですね。

長いこと待って待って、やっと先頭に来たと思ったら…

呼び出されて指定場所に行っても誰もおらへん。

駅に帰ってきてまた並び直すって悲惨でっしゃろ」


ああ、ほんとに。


「それにこの配車アプリは住所しか出えへんのですわ。

建物の名前が分かったらシュッと行けるところを

ナビ見ながら行って、ああ、この病院やったんや、って感じ。

住所だけやからゴールの旗立つのは必ずしも正面とは限らへん。

ナビに裏口に連れていかれて一方通行で難儀するとかありまんねん」


延々とおっちゃんの愚痴を聞いているうちに空港バスの乗り場に着いた。

軽い疲れを覚えながら、いざ、出発だ!



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2018年10月10日

スペイン食い倒れツアー'18 その8

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第8章 バルセロナ怒涛の最終日

地下鉄4号線JAUME I 駅がピカソ美術館の最寄駅である。
降り立ち、うろうろしているとそこらを歩いている人に
「ピカソ美術館だったらその道だよ」と二度ほど声をかけてもらった。

ピカソ美術館に行く、と顔に出ていたのだろうか?親切な声がけに感謝しながら迷わずに到着した。

年代とともにがらりと画風が変わる。
幼少期の繊細で精密なデッサンからは信じられないキュビズムへの変遷。

「なんでこんなに変わるんだろー?」
銘子がつぶやくとそばにいた加乃が言った。
「付き合う女性で変わるのよ!」
そうだったのかー。
ピカソって守備範囲広かったのねー。

ここでもミュージアムショップに立ち寄り、タクシーで宿に戻る。
荷物を置いて昨夜予約していたレストランへ向かうべくさっと支度する。
ホテル前からタクシーを拾ってレストランへ。

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『ボデガ1900』という人気店。
シェフのおまかせなので何が出てくるのかはお楽しみ、というシステム。
お腹の空き具合を聞かれる。それによってタパスの数を調整してくれるらしい。


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まずは木のスプーンに乗った緑の玉。オリーブオイルだという。
ツブ貝のようなものやウニ、牡蠣、サイズはアサリで味ははまぐり風の貝に海鮮中心のタパスが続いた。
最後に牛肉のワイン煮込みが出てきて終了。


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デザートにコーヒーで大満足の夕べだった。
お土産物があまり買えていないので、スペイン広場にある闘牛場を改装したショッピングセンターへ向かったが店は閉まっていた。


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タクシーで帰ってきてWi-Fiにつながった途端にメールが届いた。
エールフランスからだ。

「えー。雪で飛行機飛ばへんかも、ってー。変更するなら今、って言ってるー」

でた。旅行中、何度も2月9日のパリ・シャルルドゴールの天気をチェックするたびに出てくる『雪』マークに一抹の不安があったのだが…的中。

とにかくオンライン情報をまめにチェックすること、そして事前チェックインのメールが来たらまたグレードアップもしたい。
バルセロナからパリへはなんとかいけるだろう。しかし話はそこからだ。

最悪はパリで一泊か。一泊で済むか?雪で数日閉鎖なんてことになったらどうしよう。
ま、そのときはそのときだ。色々考えてしまい熟睡できない夜になった。

午前4時頃に『1時間遅れで飛ぶことになった』と連絡が入った。
リビングに集まってチェックインするもグレードアップのページに飛べない。
空港カウンターで聞いてみよう、ということになりそれぞれ身支度をする。

午前7時5分にお迎えのタクシーがくるのでそれまでに簡単に残っていたパンとコーヒーで簡単な朝食を摂る。
後になってここで食べておいてよかったーとなるのだがこの時はそれを我々は知らない。

バルセロナーパリ間のフライトは予定より1時間遅れとなった。
チェックインカウンターでグレードアップの問い合わせをすると560ユーロだという。
78,000円かぁ。
うーん。今回はプレミアムエコノミーで少し広いし、ま、帰りはそのままで行こうか、ということになった。

これも後になって沙織がいうには、この560ユーロというのはエコノミークラスからのアップ料金であって、
プレミアムエコノミーからだったら往きと同額くらいではなかったか、と。
このときは飛行機が飛んでくれさえすれば、とばかり思っていたので余裕がなかった。

そして後で後悔することになるのだった。

スーツケースを預けて免税手続きへ向かう。
ここは中国か、と思ってしまうほどの中国語が飛び交っている。
そしてどの中国人も免税手続きの書類が束のようになっている。すごい購買力。結構時間がかかったが、
これで数千円は戻ってくるのだ。

搭乗口に行くとすでに列が出来ていたので自動的にそこに並んだ。

1時間以上並んでいるとその搭乗口からわらわらと人が出てきた。

到着口でもあったのね。
で、もちろん阪急電車じゃないから終点折り返しですぐに乗り込むことは出来ずにさらに立って待つ。
清掃タイムですね。

そしてやっと機内へ案内された。

そのときになって銘子は気付いた。
自由席じゃないんだから律儀に列に並んでなくても、すぐそばのカフェで搭乗が始まるまでゆっくりしてればよかったのだ。
ああ、失敗。

パリに着いた。ここでユーロ圏出国手続きだ。並んでいる列の先頭がもめている。
あきらかに怪しそうなおばさん。列が進まない。係員が来て列を分けてくれた。これでなんとか手続き終了。

久しぶりの2Eへ。豪華になっている!とにかくここで最後のお土産を買いまくるのだ。汗をかきつつそれぞれ走り回る。
銘子が一通り買い物を済ませて搭乗口へ戻ると加乃がそこにいた。まだ時間はある。

「ビールでも飲みません?」
オイスターバーがあったのでそこのカウンターで500mlを一気飲みしてしまった。
喉が渇いていたのねーん。


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その頃、沙織はラデュレのマカロンの列にならんでいた。

それぞれ怒涛の土産物追い込み買いを済ませて搭乗口でぐったりしているとやっと機内への案内が30分遅れほどで始まった。

プレミアムエコノミーの席はたしかにエコノミーよりは広くなっている。
が、往きで贅沢した分、体はそれを覚えていた。
朝5時に起きて少しのパンとコーヒーを食べてからすでに10時間が経過しようとしていた。

窓側から加乃と銘子、通路を挟んで沙織。
その隣が三席あって通路を挟んで二席。沙織の隣は空席のようである。
そこへたぶんエコノミーからグレードアップされてきたと思われる子連れの夫婦がやってきた。

夫婦は沙織の横に幼児二人を、そして妻が通路側の一席に座った。
夫は妻の一つ前の席に座った。これが沙織の悪夢の始まりだった。


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加乃はずっと窓の外を見ているが真っ白で何も見えない。
こんなに雪のシャルルドゴールは初めてだ。2〜3時間座ったまま待機しただろうか。
急に窓に土色の液体がぶちまけられた。

待機中に飛行機に付着した氷や雪を溶かす液体で処理した後、管制塔の指示に従って離陸準備に入るとアナウンスが入る。

一気飲みしたビールで酔うこともなく、まんじりと離陸を待つ。
きっとビジネスだったらすでにウェルカムシャンパン飲んでるよなーなんて思いながらひたすら待って午後5時15分、飛行機はテイクオフした。

午後6時過ぎ。やっと食事が配られる。むさぼるように食べる。そして飲む。


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ウェルカムドリンクの泡を飲み干し、選択肢のない小さなボトルの白ワインも赤ワインも飲んでしまう。


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悲しいかな、往きの贅沢を思い出す。
朝から並びっぱなしの立ちっぱなしだった。疲れ切っているはずなのに眠れない。

映画を観る気力もない。

隣の沙織は寝相の悪い幼児に何度もパンチを浴びている。

「うつらうつらしてたり気を抜いてたら急に(パンチが)くるから、ほんまに『うっ!』ってなるねん〜」

大阪に着くまで数10発受けたらしい。
ずいぶん経ってからやっと気付いた母親が席を変わったようだがもう少し早く気付いて欲しかった。

加乃も疲労困憊の状態だった。
旅の終わりは日常の始まりでもあり、これが憂鬱極まりない。

楽しかった数日。
三人で歩いているとそこは外国とは思えないほど不思議にリラックスできた。
最後の飛行機に関しては遅れて遅れて並んで待ってと色々起こったが、
その他はすべてスムーズに段取り良く進み、食事も美味しかった。

素晴らしい仲間と素晴らしい旅行ができたことに感謝だ。

三人とも機内ではほとんど眠れずに大阪到着。
スーツケースは無事に受け取り解散となった。

外は冷たい雨が降っていた。加乃の涙雨か?

また行こう。いい仲間とサンセバスティアン。最高の旅行だった。
また行こう。絶対行こう。今回一緒に行けなかった仲間とも。

サンセバスティアン、バルセロナ、最高!
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2018年10月09日

スペイン食い倒れツアー'18 その7

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第7章 バルセロナ最終日、バスツアーの大杉漣

バルセロナに行くならやはりサグラダファミリアは外せない。
旅行前に調べてみるとまずはチケットを予約しないといけないことがわかった。
塔に登るエレベータの時間指定?うーん、ややこしい。さらに調べてみると、
バルセロナをざっと廻ってサグラダファミリアの中まで連れて行ってくれる日本語でのバスツアーを
見つけたのでこちらを予約しておいた。

午前9時20分、凱旋門前集合。

朝ごはんをさっと摂って、三人はアパルトマン前からタクシーに乗り、集合場所へ向かった。

もちろん、運転手にノート(『  LArc de Triomf 』と書いてある)を見せる。
数分で到着。

2月8日木曜日の朝9時過ぎ。普段の朝の風景だ。
自転車が勢いよく通り過ぎる。
犬の散歩も多い。
人懐こい犬が寄ってくる。
人懐こい飼い主も話しかけてくる。


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そこへトレンチコートを着て、髪を引っ詰めた化粧っ気のない女性が、
何かを大書きした紙を持って現れた。ツアーの関係者のようだ。

どこからともなくその女性に向かって日本人が集まってきた。

「はい、出席をとります。XXさん、OOさん…」

全員が集まったようなのでバスへ向かう。どうもこの女性がガイドを務めるような。
誰かに似ている。イントネーションは確実に関西人だ。

「誰かに似てない?」
「そうそう、私もそう思ってた」
「あ、大杉漣!」
「そうや!大杉漣や!!」

大杉漣ならぬ、蓮子さんとここでは呼ぼう。
バスに乗ってすぐに名乗ってくれたのだが本名はマイクの雑音で聞き取れなかったからだ。

バスはモンジュイックの丘へ向かっていく。
途中のところどころでミニガイドが入る。
コロンブスの像が立っている。彼の指差す方向に新大陸はないのだそうだ。
方角的には間違っているが、像の設置場所の都合でとにかく海を指差すようにしたそうな。

バスは丘を登っていく。丘の中腹でカラフルな車とすれ違った。
蓮子さんによるとこの丘は『自動車教習所のコース』になっているそうだ。
たまにエンストするので教習車の後ろを走るときは注意が必要なのだとか。
丘の名前の由来は『ユダヤ人の山』で、かつてユダヤ人の墓があったからだそうだ。


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丘の上からの景色が美しい。
バルセロナ万国博覧会やバルセロナオリンピックなどが行われるたびに新しいタワーやビルが建ち、
街が整備されていったそうだ。市街を望むと遠くにサグラダファミリアが見える。
あそこへ行くのかー。

バスに乗り込み、車窓から市内観光をする。
モンジュイックの丘のふもとには1992年バルセロナオリンピックのメイン会場となったスタジアムがある。
今では当たり前のようになったオリンピック開会式でのドラマチックな演出はバルセロナオリンピックから始まったそうだ。

火のついた矢をアーチェリーの選手が放って点火したとか。
これを実際にテレビで見ていた蓮子さんは鳥肌が立ったそうだ。
熱く語る蓮子さんだが銘子はほとんど覚えていなかった。
そしてツアーの客の中にはそのオリンピックの開催された1992年に生まれていなかった人も多かったからか
反応が薄かったようだ。仕方ないことなのだがなぜか悲しい。

市内を走りながらガイドは続く。
大きな闘牛場が現れた。
今は巨大ショッピングセンターになっているそうだ。
蓮子さんによるとバルセロナでは古い建物をすぐに壊してしまうのではなく
それを生かせるものが決まるまで何年でも寝かしておくらしい。

古き良き景観はそうして保たれる。
何でもかんでも壊して新しいビルを建ててしまい、どの主要駅の駅前もどこも似たような作りになっている
日本のことを銘子は思った。


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バスがサグラダファミリアに到着した。
この界隈にはスリがたくさん出没するのでくれぐれも注意するように言われる。
別に周りをにらみながら歩けというのではなく、
ただバッグのファスナーを閉めてその上に手を添えるとか、
バッグをコートの中に仕舞ってしまうとか『私は気をつけていますよ』という雰囲気を醸すだけでいいのだそうだ。


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まずは少し離れた公園のようなところから写真撮影。
池に映り込んだサグラダファミリアと鏡面のように撮れるスポットがあるらしい。
試みたが難しい!


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『生誕のファサード』から入場する。
建築途中でガウディーは亡くなってしまうし、その死後起こったスペイン内戦で設計図や模型が破壊されるなどで
建設の続行は不可能かと思われたのだが、わずかに残された資料で今も完成をめざして工事は続いているのだそうだ。

1882年に着工し、ずっと建築中だった工事現場が教会となったのは
2010年のことで、2005年には工事中なのに世界遺産となっている。

東西南北の4つのファサードに18本の塔が建って出来上がり。
1980年台に300年はかかるだろうと推測されたが
近年の建設技術の向上もあり、完成は2026年の予定という。

蓮子さんによると近くの村である程度パーツを作って運んできて組み立てる工法になってから
劇的に工期が短縮されたそうだ。

ファサードの彫刻で聖書の内容が具象化されているので見るだけで理解できるようになっていて、
生誕のファサードではキリストの生誕の物語を表現している。

中に入る。全てに圧倒される。建物ではない、生き物のようだ。


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一旦外に出て『受難のファサード』を見る。
『生誕のファサード』とは全く違うテイストでキリストの受難から復活までの物語が表現されている。
そして蓮子さんが言った。


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「あそこに立っている像、何か見たことありませんか?」

あ。あれは。正面『ネガのレリーフ』のヴェロニカの後ろに控える兵士…

「スターウォーズに出てた」


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もちろん、こっちがオリジナルだそうだ。
教会の内部を見て宮崎駿さんもインスピレーションを得たそうなので
色々と影響を与え続けるものすごいパワーのある造形物である。

そしてところどころにガウディーの遊び心が垣間見られる。
受難のファサードから見る鐘塔にはローマ字で何か刻まれている。


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Sanctus』と読める。蓮子さんによると、これはガウディーの考えたお祈りの言葉で、
世界各国からやってくる見学者がそれを見た時に
「あれなに?Sanctus,Sanctus…」とつぶやくことになる。
それぞれ言語が違う世界の人間が「Sanctus, Sanctus」と同じ言葉でお祈りをする、
というガウディーの遊び心だと。すごすぎるー。

で、この鐘塔は2018年現在で完成しているのが8本。そしてこれからあと10本建つのだ。
そして蓮子さんとはここでお別れ。塔に登る予約をした人を引き連れて行ってしまった。
我々はここから自由行動だ。

地下にあるガウディーのお墓参り(?)をしてからショップを周り、
地下鉄でエシャンプラ地区へ向かう。沙織が調べてくれたタパス料理の店を目指す。
Tapas 24』という人気店。すぐに見つかり、少しだけ並んで席へ案内される。


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三人並んでのカウンター席。
『パン・コン・トマテ(Pan con Tomate)』係りのお兄さんが延々作っているのが見える。
注文を待ち、料理が来るのを待ち、食べながらもずっと見ていた。もうこれでもう一人で作れるもん。


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料理に大満足して店を出て、沙織を先頭に『ロエベ』へ向かう。
幸いにもスペイン人だが日本語学校に通っていたというおねえさんが付いてくれたのでスムーズに買い物ができた。

またもやここにも中国人が買い物に来ていてなにやら沢山品物を出してもらってワイワイしていた。
その子供は退屈なのかそこらをウロウロし、ショーケースのカウンターテーブルに肘をつきながら
親は買い物途中にスマホをいじっている。

残念ながら沙織がずっと探していた片方のイヤリングはすでに生産中止となっていたが、
沙織は革の手袋、加乃はブローチ、銘子はサングラスを買った。
入り口近くにいる中国人よりも格段に買った品物の数は少ないはずなのに
奥のソファー席へ案内され、お茶のサービスまでしてもらう。なんだか得した気分!

そこからまた地下鉄に乗り、怒涛のラストスパート。

ピカソ美術館だ!
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2018年10月08日

スペイン食い倒れツアー'18 その6

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第6章 バルセロナ満喫とカサ・ミラ閉店ガラガラー

2月7日水曜日。バルセロナでの初めての朝。
簡単に身繕いをしてキッチンへ集合する。
前日に買い揃えていた材料で朝食だ。
加乃がなんちゃってトルティージャを焼いてくれた。
生ハムにサラダ、ヨーグルトにオレンジジュース、コーヒー。


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朝からお腹いっぱい。

さ。バルセロナの胃袋、サン・ジュセップ市場(El mercado de Sant Josep)
通称ボケリア市場へ出陣!

この日の夕食は加乃が腕をふるってくれる、その食材を仕入れるためだ。
旅行先の市場で食材を買って料理して食べる、というのを最近の旅行で実践している加乃は、
今回もこれがしたくてわざわざキッチン付きの宿にしたのだ。

アパルトマンからは路地を抜けて徒歩15分ほどのところにあるのを地図で確認する。
少しゴチャゴチャした路地を歩いているとおいしそうなパン屋さんがあった。
ショーケースを覗くだけで楽しい。
朝食でお腹いっぱいになったはずなのに『ひとくちドーナツ』を買うことにした。
4つで1ユーロ。


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店を出た、いかにも観光客な三人に、小銭を紙コップに入れて
ガチャガチャ揺らしながら痩せた物乞いがすり寄ってきた。

店での支払いを終えた財布をバッグに速攻で仕舞った加乃は、
紙ナフキンで包んだドーナツひとつを物乞いに『はい!』と渡した。

『ドーナツやなくてお金が欲しいねん』と言わせる暇も与えない早業であった。
物乞いはしばらく受け取ってしまったドーナツを唖然と見ていたが、
ポイッと口に放り込むとスタスタ立ち去っていった。


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『ドーナツ、ひとつ余ったからちょうどよかったわね』加乃がにっこり笑った。

路地を抜けると大きな通りにぶつかった。
ここがランブラス通りだ。目的の市場はすぐ先にあった!


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あふれる食材。ごったがえす人。呼び込みの声。
ああ、何を買おうか。

一通りさっと見て回った末に決めた夕食のメインは牛フィレステーキ。
エビとホタテのグリルもいいな。
あ、ホワイトアスパラがある!小さな小さな新じゃがもある!

『ホワイトアスパラ欲しいけど、あの束は大きすぎるわ』と加乃。

『えー?分けて売ってくれるのと違いますぅー?』と沙織。

すぐに沙織は店の中のおっちゃんに呼びかけた。
そしてアスパラの束を指差してすぐに手で半分に縦に割るジェスチャーをしながらきっぱりと日本語で言った。

『それの半分、欲しいねん』

これがまた見事に通じた。
おっちゃんは束を外して半分になったアスパラを見せながら
『これぐらいでいいか?』いうそぶりをしてくれた。

『ぐらしゃす!』

さあ、メインのフィレ肉を買うぞ!と肉屋さんへ行くが、
牛肉だらけでどれがステーキ用なのか分からない。

銘子がノートを取り出して走り書きした。

『 STEAK → FILETE  150g x 3 

ステーキ用のフィレ肉150gを3つ欲しい、という意味だ。
店のおねえさんにガバッと見せる。

おねえさんはノートに目を走らせるとすぐ頷いた。やった!通じた。

ショーケースからドでかい肉の塊を取り出してゆっくり切り分けてくれた。
支払いは15ユーロを少しだけ下回った。二千円しない。安い。
さらにデザート用にきれいな苺も買い、軽く市場付近で昼食を摂ることにした。


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PAELLA BAR というパエリア専門店を見つけた。
よし、先夜の塩辛パエリアのリベンジだ。


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注文時におにいさんが、パエリアが焼きあがるまでに時間がかかるので
何か他につまむものも注文したらどうか、と言う。
お薦めを聞くと『パン・コン・トマテ』だというのでそれにする。


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新聞の朝刊を三つ折りにした位の平たいバゲットを二枚おろしにして
トマトとオリーブオイルで味付けてある、それは大変美味しかった。
きりっと冷えた白ワインでパエリアを待つ。


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ここのパエリアは美味しかった。
米のアルデンテ具合が絶妙である。
日本で食べるとお約束のように飾りのレモンが刺さり、縁はかなり焦がしてあるが本場は違うようだ。
表面はオーブンではなくバーナーで焼いたような感じだ。
ああ、うんまい。これも日本に帰ったら真似しよう。


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荷物を持ち帰って午後の予定を立てる。
加乃は以前にバルセロナの観光をしているので、沙織と銘子に
『どうぞ行ってらっしゃい!夕食は私が作っておくから』と言ってくれた。

スマートフォンでバスの乗り場と時刻表を調べるとすぐ近くに乗り場もあり、
出発時間ももうすぐではないか!
部屋の中はフリーWi-Fiなので調べ物をするにはとても助かる。

まずはグエル公園をめざして二人は出発した。
沙織と銘子がバス停に着くとそこにはすでにバスが停車していた。
運転手に行き先を確認して乗り込む。

バスはぐんぐんとグラシア通りを山手に向かって走っていく。
地下鉄でも行けるとガイドブックにはあったが、駅からしばらく登り坂を歩かないといけない。
バスだと公園入り口近くの停留所まで行ってくれるので嬉しい。

入場券の売り場は有人窓口と、券売機があるのだが、
その券売機の前に陽気なおにいさんが立っていた。

「はーい、二人?じゃあ、このボタン押してー。現金かな?カードかな?」
操作するのは各自だが、おにいさんがガイドしてくれる。
カード決済でパスワードを入力するときには大袈裟に向こうを向いていてくれる。

そして今買ったチケットの入り口はここだ、と地図で示してくれた。
入場時間も指定されているようだ。

時計を見るとあと数分。すでに沢山の人が並んでいたので後に続く。
どうも入り口を二つに分けて時間差を作って入場させることで混雑を緩和させているようだ。
頭いいー。


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グエル公園。


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作ったガウディーさんもすごいけど、任したグエルさんもすごい。
もともとは学校も市場も備えた住宅街だったのが、住宅を誰も買わなかったので
計画変更で公園となったそうだ。
イギリス風住宅というが、どこをどう見てもガウディー風でしかないじゃないか!


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沙織が一言つぶやいた。
「やっぱりガウディーって頭おかしいよね」
銘子も黙って頷いた。


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ここで言う『おかしい』というのは褒め言葉で『常人ではなく天才だ』という意味である。

観光客でごった返す園内。自撮り棒を振りかざす人もいる。
折角だからと沙織に言われて銘子もカメレオンと写真に収まった。
日が落ちるまでにもう一つの目的地、カサ・ミラへ向かうため、元の停留所からバスに乗る。
このバスが大渋滞に巻き込まれ、カサ・ミラに着いたら閉館してしまっていた。


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諦めきれない沙織は併設されているカフェに行こうと銘子を誘った。
ちょうど壁際の席が空いていて、そこの窓からカサ・ミラ内部が少しだけ見えるではないか!


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「よかったねー、少しでも見られて」と話していたら
係りのおにいさんが現れて早口で何か言ったかと思うと、
その窓に緑色のシャッターが降ろされてしまった。
けちー。閉店ガラガラーやんか。


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店内には中国人の富裕層の家族連れが何組かいて、
両親はそれぞれずっとスマートフォンをいじり、
子供はそれが終わるのをつまらなさそうに待っていた。


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二人が地下鉄でアパルトマンへ戻ると加乃が料理を用意してくれていた!


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前菜はオリーブ二種類とアーティチョークとホワイトアスパラガスに焼きししとう。

魚料理は赤いエビとホタテのグリル・レモン添え。

肉料理はフィレステーキと蒸してからさっと焦げ目をつけたミニポテト添え。


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デザートはいちご。

ワインが1本空いた。

明日がバルセロナ最終日。
最後の晩餐はどこにしようか、と相談の末、『エル・ブジ』のシェフが経営するタパスが充実したバルに決定。
ネットで予約できるのが嬉しい。
これならお互い聞き間違いなどがないので安心だ。

こうしてバルセロナ滞在2日目が終わった。
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2018年10月06日

スペイン食い倒れツアー'18 その5

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第5章 サンセバスチャンからバルセロナへ

2月5日月曜日、サンセバスチャン二日目の朝。
シャワーを済ませてさっぱりした三人は朝食を求めて宿を出た。
昨夜、あんなに食べたのに朝になると空腹を覚えている。

宿の正面にラ・ブレチャ市場(Mercade de la Bretxa)がある。
昨日のツアーガイドのルルドさんによると、食品衛生やテロ対策もあって地下に移転したのだそうだ。
エスカレーターで降りていくと生ハムや魚、野菜に肉、様々な店が軒を連ねている。
あった、あった、端の方にバルが。
カウンターで忙しそうにしていたおじさんが朝食のメニューを見せてくれた。


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オレンジジュースにトルティージャとパン、そして生ハムのピンチョスに
チョコレートデニッシュのデザートがついて7.70ユーロ。


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注文の際に、加乃がメニューを指差してから「どす(dos)」と言った。
しかも指は、親指と人差し指と中指の3本立てている。

ややこしいので説明する。

加乃は「メニューのこれを3つください」と言う際に、
言葉ではなぜか「3(とれす)」ではなく「2(どす)」と言ってしまい、
さらにややこしいことに指を3本立てる。

「2つください」と言いながらゼスチャーでは「3つ」と言っているから聞き手は混乱する。
日本人は折っている指の方を(3本立てて2本折り曲げているから)数えるのか?…などと思ってたりして。

「どす(dos)、いや、違う、とれす(tres)!」

なぜ加乃の頭の中でスペイン語の2と3が混線してしまったのか、
このやり取りはこの旅行中何度となく発生するのだった。

さて、食事は大満足で、そのままホテルには戻らずに昨日行った料理教室にあるショップでお土産もの探しに向かう三人。

日本で下調べしていた時に、ここのショップのエプロンを見つけた銘子は、絶対に欲しい!と思っていた。
エプロン以外にも、魅力的なものがかなりある!
様々な食材に目を奪われる。色々なフレーバーのオリーブオイルに塩、パエリアの素に…ああ、全部欲しい。
加乃も沙織も銘子も本気モードで買い物をし始めた。

しかし旅程はここからまたバルセロナに移動する。
この時点でスーツケースの重量をあまり増やしたくはない、が欲しいものは欲しい。
それぞれ葛藤しながら品物を吟味する。それでも精算時にはかなりの量になっていた。

レジのおねえさんは開店してすぐの爆買い日本人にサービスの気持ちでおまけまでつけてくれた。
サービスの気持ちは嬉しいが、瓶詰めのハチミツだった。中身だけで軽く500gはある。

それぞれの包みに入れてくれたが、三人とも「う、重いからあえて買わなかったのに…」と言葉を飲み込んだ。
「重いから結構です」と断ることもできたのにそれも誰も言わなかった。
「¥0(タダ)」の魅力だった。

一旦荷物を置きにホテルに戻る。
その夜はせっかくだからレストランに行こうとフロントのおにいさんに聞いてみることにした。

さすがに星付きのレストランは予約できないだろうなーと思いつつもダメもとで聞いてみると、
おにいさんも『無理ちゃうかー?』と言いながら電話してくれた。
すると店は予約で一杯、というのではなく、閑散期なので長期休暇中だとか。
二軒とも休暇休業中だったのでおにいさんのお勧めのお店を予約してもらう。

軽く昼食をとるのに小雨降る中を旧市街へ。ピンチョス、やっぱり旨い。


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通りを歩いていると…「あった、あった。ここが夕食予約したレストランやね?」
「そうそう、ここやわ」、そうこれで確認も出来てしまった。
それから二軒ほど回ると満腹になってきた。


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ふと甘いものが欲しくなり、カフェでホットチョコレートとチュロスを頼んでみる。
ここではカップに入ったチョコレートにチュロスを突っ込んで浸して食べるようである。
さっそく試してみるが、なんとも初めての濃さ。
まさに湯煎したチョコレートそのもので、浸したチュロスはチョコレートコーティングされて甘さ100倍となる。


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腹ごなしに散歩をすることにする。…しかし夕食までに空腹になるのか?

コンチャ湾の海岸遊歩道の端に大きな鉄のオブジェがあるそうなのでそこへ向かうことになった。
ずんずんずんずん歩いていく。雨と風が強くなってきた。
海岸ではほとんど人がいない。
散歩に連れてこられたのか、一匹の黒い犬が肌寒い雨の中を走り回っていた。


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ずんずんずん、ずんずん…ずん。黄色のテープが張ってあり遊歩道はそこから進めなくなっていた。
風が強いので波もかなり荒い。オブジェは諦めて街中に入る。
体が冷えていたので温かいコーヒーを飲む。ここで加乃はホテルに帰って休むと言う。
夜の食事に備えると言っていたが、寒い中を海岸沿いを連れ回したから冷えてしまったのかもしれない。

あとで分かったことだが、三人はこのオブジェがある場所の反対方向へ向かっていたらしい。
寒い中の歩き損であった。

沙織と銘子はそのまま街歩きを続けた。
沙織はLoewe(ロエベ)で探し物があるというので二人で店に入る。
落としてしまったイヤリングの片方を探していたのだが残念ながら見つからなかった。

それからZARA HOME などに寄りホテルへ戻った。

さあ、サンセバスチャン最後の晩餐だ!

昼間に確認してあったのですんなり行けたレストランはCasa Urola という店で、1階はバル。
2階がレストランになっている。予約していると伝えると2階に案内された。


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期待が膨らむ。それぞれ前菜とメインとデザートを頼んだ。
盛り付けも味も全て期待以上で大満足だ。


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TXACOLI(チャッコリ)』を1本空けた。
大いに食べて喋って飲んだ。
スタートが午後8時半だったので食べ終わったら11時を過ぎていた。
三人が店を後にする頃でもまだその店も界隈も盛況で、スペイン時間を羨ましく思うのだった。

翌日は軽くホテルの近所を散歩してカフェで朝食をとる。
ここでもまた加乃は「どす、いや、とれす!」と言っていた。

どこで食べてもトルティージャがすこぶる旨い。
日本に帰ったら絶対に真似しようと銘子は心に決めた。


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ホテルをチェックアウトしてタクシーを呼んでもらい、バスターミナルへ向かう。
ここからビルバオ空港行きのバスに乗るのだ。


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空港に着くとまだチェックインカウンターが閉まっていた。
今回はVueling航空というLCCを使う。
1時間と少しのフライトとはいえ、50ユーロしないのだ。


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で、チェックインの時間になってもまだ開かない。
カウンター内に誰もいないが数名が並びだしたので慌てて後に続いた。
少しして係りのおねえさんが急ぐ様子もなく、ゆったりと現れてチェックインが始まった。

そのあと、カフェでビールを飲んだり売店を冷やかして過ごし、搭乗口へ。
バスのピストン運転で飛行機まで運んでもらい、タラップを登る。


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さらば、サンセバスチャン!また来るよ!

飛行機は思ったよりも快適で無事にバルセロナへ到着した。

客待ちしていたタクシーに乗り、宿泊先へ。
もちろん行き先を大きく書いたノートを見せる。これでかなりスムーズに伝わる。
バルセロナではアパルトマンを借りることになっている。そしてすんなり宿に到着。

部屋は3ベッドルームに浴槽付バスルームとシャワーのみのバスルームがそれぞれ一つに
リビングルームにダイニングルーム。洗濯機は外のベランダにあった。


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荷物を置いてすぐ、近所のスーパーへ買い出しに行くために台所を物色する。
コーヒーはカプセルが数種類あり、ビールも1ダース以上ある。
これって勝手に飲んで良い、ということだろうな。だったらとても嬉しい。


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朝食のパンに卵に生野菜、そして水に牛乳にオレンジジュースを買ってきた。
食材を冷蔵庫に収めたあと、夕食は近くの店で軽く済ませることにした。

『確かこの辺りがタパス通りだったような…?』
『あれ?』

ウロウロした末に適当な店が見つかったので入る。
簡単なタパスを三品とパエリアを一つ頼む。
気さくで陽気なアジア系のおねえさんが皿を持ってくるたびに『おいしい?』と聞いてくる。
普通に美味しいので『おいしーです!』と答える。


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最後にパエリアが来た。それぞれ取り分けて一口食べた途端、三人ともつぶやいた。

『からい…』

まるで塩の分量がおかしい。小さじの分量を大さじで入れた?と思うほどに塩辛い。

おねえさんがやってきて尋ねた。『おいしい?』

三人は声を揃えて『からい…』
首をかしげながらおねえさんは残ったパエリアを下げていった。
厨房で大きな声でのやり取りが聞こえたが何を言っているのか分からなかった。

アパートに戻りそれぞれ荷物の整理やシャワーを済ませてベッドに入る。
行程はあと2日。バルセロナを満喫するのだ!!

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2018年10月03日

スペイン食い倒れツアー '18 その4

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第4章 サンセバスチャン満腹ツアー

ビルバオのバスターミナルの電光掲示板を三人はずっと見ていた。
15時発の『SAN SEBASTIAN』行き、もしくは
『DONOSTIA』行きがどのレーンなのかなかなか表示されない。
ちなみにSAN SEBASTIANはスペイン語で、DONOSTIAはバスク語。
どちらも同じ街の名前だ。ややこしいがこの両表記に慣れなくてはならない。
郷にいれば郷に従え、である。

「あ!出た!」

掲示板に表示されたレーンまでスーツケースを転がしていく。
バスはすでに停まっているがドアは閉まったままだ。
バスの正面の行き先表示を確認すると間違いなし。さらに出発時間まで待つ。

そして出発時間の直前に運転手がやってきて荷物入れのドアを開けた。
ぞろぞろと他の乗客がスーツケースなどを積み込んでいく。
なるほど。
客が各自で積み込むシステムらしい。
沙織がプリントアウトしてくれていた予約確認書を提示して席に着く。

それぞれ一人づつ窓際に縦一列に並んだ。
沙織が景色を堪能できるよう、全員窓側に座席を取ってくれていたのだ。
ちなみに帰りは反対方向も見られるように予約したとのこと。さすがである。

バスは定刻に発車。
風景は市街地からすぐに牧歌的なものへと変わる。
山の斜面では所々で羊が放牧されている。車窓を楽しむ。

きっかり予定通りにサンセバスチャンのバスターミナルへ到着。
地下の降り場からエレベーターで地上に出るとすぐタクシー乗り場が見つかった。
すかさず加乃が聞く。

「銘子さん、あれ!準備OK?」

「もちろん!」

ホテルの名前と住所はノートに大きく書いてある。
後部座席からそれを見せると運転手はすぐ頷き、アクセルを踏んだ。

あっという間にホテルに到着。小さなペンションのようだ。
旧市街に面した通りにあり、便利そうである。


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受付のおにいさんにそれぞれ部屋の鍵をもらう。
加乃の部屋は『LABOA』、沙織の部屋は『HEGOAK』で、
そして銘子の部屋は普通に『201』。
かなり不思議でランダムな命名である。おにいさんが説明してくれた。

このホテルのオーナーが好きな歌手が『LABOA』で、
その人の曲で好きなのが『HEGOAK』というのだそうだ。
名前は個性的だが、『LABOA』も『HEGOAK』も『201』も
部屋はほとんど変わらぬ作りなのだった。


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一息入れて、いざ、ピンチョスツアーに出発だ!
徒歩ですぐの場所にある『Mimo クッキングスクール』が
展開しているツアーに参加するのである。
これは日本からネット予約しておいたものだ。
初めての街で山のようにあるピンチョスの店を効率的に廻るためこれを利用するのである。

カーキ色のコートを着たかなりパワフルな感じの女性が現れた。

「はーい!お腹空いてる〜?」

ガイドのルルドさんはクッキングスクールで料理を教えたり、
ピンチョスツアーを引率している、この旧市街出身のママさんである。
ロンドンに住んでいたこともあって英語が流暢である。
おのずと全編英語のツアーとなる。

銘子は英語がよく分からないので、加乃と沙織の後ろについていく。。

「はーい、こっちにいらっしゃーい!」

勧められるままカウンターの席に着くと、ルルドさんがグラスを並べ始めた。

「白がいい?それとも赤?」

「じゃあ…白を…」

我々3名とあと2名が合流して合計5名のツアーとなるようで、
揃うまで飲んで待っていよう、ということらしい。

がっつり注いでくれる。

ホテルの朝食をしっかり食べてから美術館のビストロでランチ。
移動はほとんどバスとタクシーだったのでお腹が空いていない不安を抱きながら
ワインをちびちび飲んでいると…若い男女二人連れが現れた。

オーストラリア出身のカップルで世界一周の途中で立ち寄ったとか。
バックパッカーというよりも洗練された、いわゆる『シュッとした二人連れ』である。
若くして世界一周…なんの仕事してるんだろうか?

いや、世界は広い。いろいろな人がいるのだ。
軽く談笑したのち、さあ、出発だ!


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地元っ子のルルドさんはどこに入っても知り合いがいるようで、
勝手知ったる店とばかりにさっさと5人分の席を確保してくれる。

最初の店に入る。
やっぱりバスクでの第1杯目は『TXACOLI(チャッコリ)』でしょー!と
ルルドさんがいうので全員それにする。

白の発泡ワインのようで、これのグラスへの注ぎ方がすごい。
水芸のようだ。右手でボトルを高々と掲げ、
左手にグラスを持って大きく腕を開きながらおじさんは瓶の注ぎ口を凝視している。
グラスは見ていない。でもこぼさない。プロだー。
液体は大きな弧を描いてボトルからグラスへ注がれる。

この高い位置から注ぐことで、細やかな泡が立ち、香りも開くのだそうだ。

この飲み物にそれぞれ2個ずつピンチョスがやってくる。
『ししとうをシンプルに炒めて塩で味付けしたもの』と
『エビのソテーにたっぷりオリーブオイルをかけてバゲット風のパンの上にのせたもの』の2種類だった。


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ししとうが旨い。シンプルでいい。


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そして次のピンチョスをかじると、パンがふわっとエビと一緒にちぎれる。
上に乗せる具材と柔らかさが合ったパンなので同時に噛み切れるのだ。
さりげないが、なかなかの気遣いである。

具材だけがびろ〜んと全部口に入ってきたりしないのだ。すばらしい。

エビにかかったオイルが指にまとわりつく。ここでルルドさんが一言。

「はーい。指や口をぬぐった紙ナフキンは床にポイっと捨ててね」

足元を見ると丸まったナフキンが転がっている。
これが多い店ほど繁盛しているということなので気にせずポイポイせよ、と。

幼い頃からゴミはゴミ箱へと躾けられて育った日本人三人には
かなりの抵抗があるが…ここは郷に入れば従うのみ、
とそっと足元に『置きに行く』のであった。


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「はーい、次の店に行くわよー」

次の店でも飲み物1つにピンチョス2つがノルマ(?)である。
めくるめく海鮮、肉、野菜。4軒目でもうギブアップ状態になりつつあった。


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オーストラリアからやって来た二人ももう無理!
ということで最後はデザートのお店になった。

「えーっ?もうお腹いっぱい?だめじゃ〜ん!まだもっと行く予定だったのにー!」
みんなが手をつけられなかった皿を平らげながらルルドさんは言った。

最後の店でデザートをいただき、解散となった。


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親切にも、後でどの店に入って何を食べたかメールしてくれるそうだ。
店の名前もすべて記してくれるそうなので再訪可能だ。

飲み過ぎと食べ過ぎで疲労困憊の三人は
それぞれホテルの部屋に入った途端にベッドに倒れこみ、
シャワーも浴びずに一日が終わったのだった。


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2018年09月30日

スペイン食い倒れツアー '18 その3

第3章 グッゲンハイム美術館とビストロ

2月4日日曜日。しっかり眠って体力回復した銘子はゆっくりストレッチ体操を始めた。
コンコン。
ドアがノックされる。加乃だった。

「銘子さん、私お腹すいたから先に行ってますね」
「はーい」

銘子は慌てて身支度を整えてフロント階にあるレストランへ向かった。
加乃と沙織は先に朝食をとり始めていた。

ベーコンにソーセージ、フライドポテトにスクランブルエッグ。
様々な食事パン、に甘いパン。シリアルにヨーグルト。牛乳に何種類かのフレッシュジュース。
熱々のコーヒー。チーズにフルーツもある。

あ〜ん、どれから食べようか。

どれをとっても美味しい。
スペインでの第一食目!美味しい始まりに幸せを感じる。

チェックアアウト後、ホテルにスーツケースを預け、いざ、グッゲンハイム美術館だ!

軽く霧雨が降る中、タクシーを探すも乗り場を通り過ぎたのか見つからない。
さらに進むと線路にぶつかった。
近くに駅がありそうだ。そこまで行けばタクシーもあるだろうと線路沿いを歩く。

あった、あった。タクシー乗り場。
停まっていたタクシーに乗るとあっという間に到着し、正面にある緑色の巨大オブジェが迎えてくれた。
これはPUPPYという名前のわんこだそうだ。
4万本の花で飾られているのだが残念ながら、この時期の冬バージョンは少し地味なようだ。


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まず、この美術館の形状は度肝を抜かれる。曲線だらけでどこにも直角がない。
光るチタンで魚の鱗のように覆われているからか、太陽の光を反射して眩しい。


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「この建設現場の棟梁(?)、大変やったやろな〜」

ふと呟いた銘子に続いて沙織がかぶせる。

「ほんまに、ほんま。きっと『この図面引いた奴、頭おかしいんちゃうかー?』って文句言いながらここ作ってたわ」

「源(げん)さん、ほんまにこの板、こう切りますのん?」

「そや。しゃーないがな。ゲーリーはん(設計者)がそう言うてはるんや」

「かなわんわー」

「文句ばっかり言うてんと早よ手ぇ動かし!」

いつの間にかミニコントが始まり、棟梁の名前は勝手に『源さん』になってしまった。


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コートと荷物をクロークで預け、館内に入る。中も曲線だらけ。
源さんの苦労が偲ばれる。。。
受付のおねえさんに確認すると、建物自体を写真に撮るのは構わないが
展示している作品の撮影は不可なのだそうだ。
一階のホワイエを突っ切って川に面した通路から一旦出てみると、
そこにはまた名物のオブジェが。でっかい蜘蛛だ。チューリップもある。
建物全体を川沿いの少し離れたところから見ると、大きな船が停泊しているように見えるとも言う。


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建物の中も垂直と水平が極端に少ない。みごとな曲線、ガラスを通して降り注ぐ太陽光。
すべての作品を見て回ったのち、銘子は建物と外のオブジェ以外には感銘は受けることはなかった。
建物にお金がかかったから中にあるものはたいしたことはない、
という噂があったが銘子は心の中で「なるほど、やっぱりね」と思ってしまった。
ごめんなさい。個人の見解なのでご容赦願いたい。

展示室を見て回り、ミュージアムショップに移る。
すると一階ホワイエがザワザワしている。民族衣装に身を包んだ一団が歌い出した。


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ミュージアムショップのおねえさんによると、その日はバスク地方の衣装を着たグループが
色々な場所に現れては昔からの民謡を唄うゲリラライブ?があるのだとか。

3〜4曲歌って集団はぞろぞろ移動していった。
立ち見で聞いていたおじいさんも誇らしげに一緒に歌っていたのが印象的だった。

ふと我に返ってミュージアムショップに戻る。
ここのショップは趣味の良いグッズがたくさんあってお土産にちょうどいい。

お次は、この美術館に併設されているビストロで食事だ!


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実はここでクリアしなくてはいけないことがあった。
サンセバスチャンへは15時発のバスで移動することになっており、
これはすでに沙織が予約してくれている。
昼食後にタクシーを拾い、ホテルでスーツケースをピックアップして
バスターミナルへ発車30分前(14:30)には到着したい。
逆算すると、ビストロを14時には出ないといけないということになる。

沙織がビストロを手配してくれたのだが、ネット上では開店は13時からとあったそうだ。
一応13時からの予約を取り、12時から店に入れるか直談判してみようということになった。
その結果は…やはりダメだった。
13時からでないとお店は開かないのだそうだ。仕方ない。13時ぴったりに入店できるように待つ。

ゆったり食事をしたいところだが、コースでゆっくりサービスされたら2時間は軽くかかってしまうだろう。


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すでにこの時点で三人は焦っていた。
入店し、席に着いてメニューを渡されるなり、案内してくれたおにいさんに
「時間があまりない」と沙織が英語で説明するも通じたのか通じていないのか
よく分からない微妙な表情をしている。

業を煮やした沙織が急に叫んだ。

「急いでるねん!」

日本語で。それも大阪弁で。でもこれがすんなり通じた。

「スィ(はい)」と、おにいさんが言うではないか!
そして『エクスプレスメニュー』なるものを勧めてくれた。

メインとデザートとミネラルウォーターとグラスワインが込みで22ユーロだ。

ワインは赤か白か、と尋ねられたような気がした。すかさず加乃が手を上げて
「私は赤!」つられて沙織と銘子も手を上げて「私も赤」と言った。普通に、日本語で。

「スィ」…通じた。
このメニューにはグラスワインは込みだがコーヒーはついていないので追加する。
これで安心、と料理を待つことにする。

「これ…変わってますよねー」銘子がテーブルに敷かれた紙のランチョンマットを指差した。

「ほんとに」


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この美術館の外観をデザインに取り入れてか、ランチョンマットの上部が曲線に切り取られ、
ちょうどそこにグラスをセットしてくれるのだ。

「欲しいわ〜、これ」こういう紙製品に目のない加乃がつぶやく。

「紙だし、片付ける時には捨てるものだから頼めばもらえるのでは?」

「そうよね、言ってみるわ!」

料理は軽めで量もちょうどよく、美味しくいただけた。
食後のエスプレッソが運ばれてきた際におにいさんにお願いすると
気持ち良く新しいものを数枚持ってきてくれた。言ってみるもんだねー。

大満足でビストロを出て、美術館正面の道を渡るとタクシー乗り場がある。
ホテル経由でバスターミナルへと伝えて、三人は無事にバス発車30分前にターミナルへ到着したのであった。

さあ、1時間半後にはこの旅行最大の目的地、サンセバスチャンだ!

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2018年09月27日

スペイン食い倒れツアー '18 その2


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第2章 寒い…2G

ウェルカムシャンパンにはアミューズが添えられてきた。
すばらしい。

しばらくして始まった食事にも大満足。

ワインを選ぶにも、白だったらこっちとこっちのどっち?
と、ソムリエが席までボトルを持ってきて説明してくれる。

赤でも泡でもそれぞれ選択肢があるのだ。
ああ、たまんない。


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白ワインで前菜をいただき、赤ワインでメインの牛肉の煮込みをいただき、
その流れでチーズもいただきます。デザートのシャーベットもおいしい。


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今回乗った飛行機にはファーストクラスはないようで、
ビジネスが最前列という初めての状況。
その最前列のトイレに入って銘子は驚愕した。

ひ、広い…

最前列のトイレは通路と通路の間のスペースを丸々使っているから
見たことないほど広いのだ。エコノミーだとたぶん二つに仕切れる大きさだ。
銘子は、どのクラスであっても飛行機のトイレは同じ大きさであって、
ただ、クラスによって一つのトイレの割振り人数が違う
(例えばファーストだったら
10名で一つを使用し、ビジネスだったら
20名で一つ、という感じ)と認識していた。

この認識が間違っていた!

ファーストなんて乗ったこともないから
最前列がこんなになってるのは知らなんだー。
昔からこうだったのかしらん?
持ち込んだ本を読んだり、ウトウトしたりしているうちに飛行機はパリ
2Eに到着した。予定時刻よりも1時間半以上早かった。

乗り継ぎ便は2Gへ移動しなくてはいけない。
トランジットの通路に立っていた係りのお姉さんに確認すると、
道順を教えてくれ、『必ずバスに乗るように』と念押しされた。

↑ の表示を追いながらオリエンテーリング状態で進んでいく。
一人だったらきっと不安だったろうがなんせ三人だ。大船にのった気分。

矢印に誘導されてたどり着いた先にバスが横付けされていた。
ああ、これに乗れってことね。
先客は若いお兄ちゃんとおばさんの二人だけ。そこへよっこらしょ、と乗り込む。

すぐにドアが閉まって発車。曲がって坂を登って、下って曲がって、
ぐんぐん、ぐんぐん、ぐんぐん進む。
絶対に歩いては無理。お姉さん、アドバイスありがとう!!!

バスを降りてロビーに入ると閑散としている。この侘しさはなんだ?
そして暖房は入っていないと思われる。
どこに座っていても送風口から吐き出される空調の風で冷えてくる。
2月なのになぜ温風が出ないの?

「一本早いのに振り替えられへんのかなー?」

沙織が言いながら案内板を見る。
しかし一番早いのが三人の乗る予定の便だった。
5時間待つしかない。
機内でしっかり飲み食いしてあるのでもう何も入らない。
ひたすら風を避けられる場所を探しつつぼんやりしていると沙織がいない。

あれ?
沙織は待合室に面したショップで靴を選んでいる。
「セールで安いよー。このブランドでこの値段は買いやでー」

元気だ。

元気のない加乃と銘子は椅子に座ったまま靴選びをしている
沙織をぼんやり見ていた。
閑散としたロビーなので離れていても見えるのだ。

やっと搭乗が始まった。搭乗口へ向かい、いざ、ビルバオへ。

LCCのような小さな機内の荷物入れで頭をしたたか打つ。
ここでの座席は三人がバラバラになる。
銘子の隣には白人の女の子が座り、銘子に不躾な視線を送っていた。
なぜガン見?

離陸を待たずに銘子は眠りに落ちた。
ふと気がつくと、すでに着陸準備に入っていた。
隣の女の子はあんぐり口を開けて寝ていた。
歯医者の診療を受けているかのようにこちらに向いている。
その口に飴玉を放り込みたい気持ちを抑えながら
銘子は飛行機を降りる準備をした。

ビルバオ空港に降り立ち、荷物をピックアップすべく進んでいく。
通路もベンチもなんだかとてもスタイリッシュ。


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EU圏外からの入国なので、三人の荷物引き取りレーンは違うはずだ。
係りのおじいさんに荷物のタグを見せると
ドアを開けてその向こうのレーン7へ行け、と言われる。

無事に荷物を受け取りタクシーに乗り込む。
夜も遅く、行き先のやり取りをする気力が失せていた銘子は
ノートに宿泊先のホテルの名前と住所と電話番号を
1ページに大きく書いておいた。

乗り場へ行くとタクシーが数台停まっている。
「おらー(スペイン語でhello!)」
「おらー」

すかさず運転手にノートを見せる。
すぐに理解してもらったようだ。
よし。スペイン語が話せないのでタクシーに乗るときは
この方式でいくことにしよう。

ホテルに着き、プリントアウトしてあった宿泊確認書をそれぞれ見せて
スムーズにチェックインを済ませる。
ホテルは全て事前にネット予約してある。


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翌日の出発時間とざっくりした朝食時間を打ち合わせてそれぞれの部屋に入り、
シャワー浴びてベッドに潜り込む。
部屋はかなりスタイリッシュで快適。すぐに睡魔が襲ってきた。
ああ。終わった。明日は美術鑑賞&サンセバスチャンへのバス移動だ!

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2018年09月26日

スペイン食い倒れツアー '18

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第1章 出発までは、ばったばた!


2018(平成30)年2月3日午前1145分すぎ、

エールフランス291便は何事もなく飛び立った。

座席ナンバー1に銘子、通路を挟んでその右に加乃、その隣に沙織が座っている。

沙織の隣は空席なので三人で一列に並んだ状態だ。


最前列で他の乗客が目に入らないので貸切り気分!


ラウンジで飲んだビールと機内サービスのウェルカムシャンパンの酔いが軽く回ってきた。


銘子は軽く目を閉じてこの旅行までのバタバタを思い起こした。




まずは昨年の夏前、加乃の一言から始まった。


「サンセバスティアンに行きたいの!」


そこはスペイン・バスク地方の街で、フランス国境もすぐ近く。

美食の街として有名である。

国際映画祭も催され、夏は高級避暑地となる。


「バル巡りをしたいのよ!」


サンセバスティアンの旧市街にはバルという形態の店が軒を連ねている。

そこでカウンターにずらりと並んだピンチョスの中から自分の食べたいものを選んで飲み食いし、

また次の店に…と食べ歩きが楽しめるのである。


NHKのスペイン語講座でここが紹介され、それを見ていた加乃の目は釘付けとなった。


ここには食べることと飲むことを楽しむ仲間と行かねば!


この話に乗ったのは銘子と沙織で、数回の打ち合わせを重ねて旅行準備を進め、

あっという間に旅行前日となったのだ。


明日は出発!と思いながら銘子が目覚めるとエールフランスからメールが届いていた。


『チェックインを済ませてください』


寝ぼけ眼のままスマホで指示通りに進んでいくと…


「ん?」


今なら¥47,280の追加でプレミアムエコノミーからビジネスにアップグレード出来るとのこと。


これは素敵な話ではないか!

さっそく加乃と沙織にそれぞれメールで知らせ、その合間に仕事をする。

そうしている間にも席は徐々に埋まっていく…。

そこへ沙織からアップグレードに成功したとメールが入る。


銘子は昼休みに入るや否やサイトに飛び込んだ。

カードで精算をするところで画面がびくとも動かなくなった!

慌ててカスタマーデスクへ電話を入れ、

なんとか席を確保できて胸をなでおろしたところへ加乃からメールが入った。


「取れなかった…」


ええええーーーっ????

どうも一定の時間が経つとそのサイトはクローズするようで

、加乃がカード番号を入力している間にタイムアウトとなったようだ。

落胆する加乃。

だが、明日早めに空港カウンターへ行き、直接交渉してみるとのこと。

席があればアップグレード出来るそうなのだ。


沙織が予約サイトで確認して、ビジネスクラスの空席はまだあるから

きっと大丈夫!と励ますが実際に席が取れるまでは安心はできない。


そして旅行当日。早めに空港へ向かうバスに乗って銘子は二人にメールした。


『今、バスに乗ったよー。では後ほど空港で!』


すると沙織からメールが届いた。


『めざましの設定を勘違いしてて、いま起きました…』


搭乗時間には間に合うが、待ち合わせ時間には遅刻してしまうので、

直接搭乗口で会いましょうとのこと。


出発までに、なかなかのバタバタではないか。


空港に着くと、加乃は席の確保に成功していた。

三人横並びで取れたようだ。

沙織からは何とか間に合うと知らせてきた。

それなら安心、ということで銘子は加乃と搭乗までの時間を楽しむことにする。


まずは手荷物検査を…と進んでいくとそこには長蛇の列が。

これだったら1時間は十分かかりそうである。

ふと、先ほどのカウンターで搭乗券と一緒にもらった

『ファースト・レーン』と書いてあるチケットを見ると

『ここより搭乗口へお進みください』とある。


『ここ、ってどこよ…?』

向かってずっと右端にある指定入り口へ行くと、

だーれも並んでいないではないか!!


さっさとレーンを通過して、向かうはラウンジだ。


いいなぁー。ラウンジ。


キンキンに冷えたビールグラスをセットしてボタンを押したら、

ガクン!と傾いてビールが自動で注がれるのだ。

徐々にグラスは立っていき、グラスが直立すると同時に注ぎが終わる。

泡は綺麗に盛り上がって出来上がり。自動のマイスターだ。ああ、家に欲しい。



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サラダにスープ、軽くサンドイッチをつまみながらビールをごくごく。

加乃はワインとチーズとミニ蕎麦だ。


ちょうどよい時間になったので搭乗口へ向かう。

沙織はもう空港に着いたようで、当座の現金を両替してから行くので

搭乗始まったらお先に席へ!とのこと。


機内への案内が始まった。スイスイである。

加乃と銘子はそれぞれ座席に着いて荷物を整理し始めた。

そこへ沙織が到着した。ひしと抱き合う三人。

いよいよ旅の始まりである。




posted by Avril at 21:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 愛の立ちくらみ劇場

2015年11月15日

母と泊まれば

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今日はひさびさの『愛の立ちくらみ劇場』〜!
(もちろん登場人物の名前は仮名でっす)

14日早朝5時40分。銘子のiPhoneが鳴った。

『今、出たから』

銘子の父、渉からの『帰るコール』ならぬ『出たよコール』だ。

到着を見計らって銘子は道に出て待つ。
早朝なので数分で渉の車は銘子の自宅へ到着する。

渉は昨日もゴルフ、今日もゴルフ、翌日もゴルフに行く
元気な老人である。

認知症の母、律子と暮らしている父の唯一の気分転換なので銘子は
元気で出かけてくれるならそれでいいと思っている。

ただ、土曜と日曜の二日に渡って早朝銘子の家に預けられる律子は
たまったもんではない。

こういったこと(週末連ちゃんゴルフ)は年に一二度のことなので
銘子は母の好きな海のそばのホテルを予約する。

母と娘の女子会である。

弟の家で銘子は車を降ろしてもらい、弟の車を借りて
律子がいるマンションへ向かった。

前の晩から多めに睡眠剤を飲んでいる律子は
微動だにせず爆睡であった。

まだ6時にもならない…。

銘子が洗濯機を覗くと結構な洗濯物が。
暇なので洗濯を始める。

ふと洗面所をみると洗面台がくったくた。
鏡も合わせて磨きをかける。

トイレを恐る恐る覗くと…。
きゃー。

ここもしっかり掃除する。

ここまで終えて覗くとまだ律子は爆睡している。

キッチンもしかり。
70歳にして主婦デビューした渉は、料理と洗濯はしても
掃除はしない。水周りの掃除なんてもってのほか。

排水溝のズルンズルンと戦って寝室を覗くと律子が
目を開けていた。

目が合うなり『ご無沙汰しておりますぅー』と。
なんでやねん。

掃除はほとんど終えていたので律子の身支度を整えて
冷蔵庫にあった買い置きのあんぱんを食べさせた。

掃除ですっかり疲れていたので冷蔵庫からそのまま
出したからか、ひとくち食べた律子は間髪入れずに
『冷た〜い』。ごめん、悪かった。

銘子は残り半分をオーブントースターで温めた。

食後、律子を車に乗せ、銘子は自宅へ戻った。
一ヶ月に一度の律子の顔剃りをし、自宅の掃除と
洗濯を済ませて泊りの準備をする。

自分にかまってもらえないからか律子の機嫌が
悪くなってくる。

昼、簡単なトーストを野菜ジュースで流し込もうと
思ったらご機嫌斜めの律子は食べながら歩き出す。

もー、この忙しい時に!律子のカットの予約時間が迫る。
月に一度は銘子の近所のサロンでカットしてもらってるのだ。
掃除機をかけた部屋を律子はトーストを食べながら歩く。

『もー、おかあさん、何で歩くの?!』

『知らん!』

知らん、って、もーっ!

カットは律子のまどろみの中で終了した。
サロンの椅子から降りる際には熟睡状態で
脇を支えて歩かないといけない状態に。

この日泊まるホテルでは朝食は付いているが
夕食は部屋に弁当を持ち込む予定だった。
これを買いに行く頃から律子はかなり手強い状態に
なっていた。

歩いてくれない。足が前に出ない。
車に乗り込んでくれない。
寝ているのか、反抗なのか。

雨が降ってくる。

何とか助手席に押し込み、発進。

口の中でぶつぶつ文句を言っている律子。

『え?なんて?おかーさん、なに言ってるの?』

『そやかて、&%%$$#”*』

言いながらシートベルトを持ち上げて頭をくぐらせて
脱いでいる。

なだめながら銘子は元の位置にベルトを戻す。

しばらくすると靴を脱ぎだす。
しっかり紐を結んであるのでこれは断念したようだ。

再度、シートベルトを脱ぐ律子。

戻す銘子。

この攻防が幾度となく続いた。

静かにしているのでふと銘子が助手席に目を向けると
律子はシートベルトを噛み締めていた。

慌てて外す銘子。

運転もなにもあったもんじゃない。

なんとか無事にホテル到着。

ラウンジでビールを飲み、律子を風呂に入れることにした。
服を脱ぐ頃は反抗が最高潮に達していた律子。

シャツを脱がそうにも袖をしっかり握る。
靴下を脱がそうにも両足を踏みしめて上げてくれない。
浴槽をまたいでくれない。

握りしめる手の指を一本一本外してとにかく風呂に入れた。

出た頃には少し気持ちがほぐれたのか
律子はご機嫌になっていた。

ここで夕食!

必死の思いで買ってきた弁当を広げる。


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食べさせた後は歯を磨いてベッドに横にさせるとあっという間に
寝てくれた。ここから朝まで起きずに寝てくれたので
銘子は助かった。

翌朝、朝食が運ばれてきた。


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これも結構食べてくれて、チェックアウトまでベッドに横になったり
しながらも大人しくしてくれたのだ。


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折しもこの日は神戸マラソン。
このホテルからすぐの国道2号線は朝から13時半まで通行止め。

これに銘子が気づいたのは宿泊の数日前のことだった。

きゃ〜っ!

ホテルに確認の電話を入れると、車の乗り入れは規制中は無理なので
公共交通機関で来てくれ、という。

そんなん、この母親を連れて、無理〜〜〜!!

このホテルのチェックアウトは12時。
ホテルの案内は、チェックアウト後はホテルラウンジで
規制解除されるまで時間を潰してほしいとのこと。

しか〜し。最近反抗期の母親が大人しくしてくれる保証はないし、
どれほどの宿泊客がホテルラウンジに集まるのか分からない。

銘子は部屋の午後2時までのレイトチェックアウトを願い出た。
ホテル側は予約状況で渋っていたが、なんとか交渉成立したのだった。

朝9時からの朝食を終えて、銘子は律子の顔マッサージやら
パックを施して時間を潰した。幸いにもマッサージで気持ちよくなったのか
律子は1〜2時間ほど寝てくれたのだ。

午後2時前。チェックアウト。

神戸マラソンの影響が残るであろう2号線を使うのは諦めて
銘子はずんずん北上し、阪神高速北神戸線経由で帰路に着いた。

帰りの車の中の律子は大人しく座っていてくれた。
あんまり静かなので『おかーさん。起きてる?』と聞くと
『生きてるー』と答える。

生きててくれたらそれでいいのよ。おかあさん。

こんな女子会、おかーさんがもっと元気な時にもっともっと
行っておけばよかった。そう思うと運転中の目が
涙で見えなくなってしまうので車の中に流れていた曲に合わせて
声に出して歌い出した。

『ありがとう、って伝えたくて
 あなたを見つめるけど
 繋がれた右手は
 誰よりもやさしく
 ほら この声を受け止めている』

余計に泣けてくるやん!


このお話はハックションである。

〜おわり〜



posted by Avril at 21:12| Comment(2) | TrackBack(0) | 愛の立ちくらみ劇場

2014年06月15日

第一回・大人の修学旅行

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昨年末のノエルで
『大人の遠足』の次は『大人の修学旅行』だねー!
なんて云ってたらほんとになってしまった。

もちろんわたくし、銘子が企画&添乗員!

6月某日、それは決行されたのでした。。。




阪急池田駅集合。

参加者は、牧子、佐織、加乃、桐子、盛敦、銘子(全て仮名)の
6名である。
駅北側に伸びる商店街をゆるゆると進み、抜けたところを左折。
すると目の前にのぼりが見えてくる。

ここが大衆演劇の殿堂、池田呉服座だ。
席はすでに予約済み。ダテに下見に行ってないもーん。

大衆演劇。

たぶん誰かに誘われたりしない限り、自分から
チケット買って行かないだろう。6名全員が初体験!
あまりにもついて行けなかったら退席も辞さない覚悟で
着席。

『銘子さん、どこ?席?』
『えっと、そこ!<え>と<お>列に3人ずつ』
『うわ、前から4列目?』
『だって初めてだったら、ここね、って受付の人が
 云うんだもん』
『舞台、近っ!』

そんなこと云いながら駅前で調達した
おにぎり弁当を配る銘子。

『はい、弁当にビールねー、柿の種もあるよー』
『お、さんきゅ』
『はい、ドーナツ!』
『え?桐子さん持ってきてくれたん?』
『私はこれー、』
『え?牧子さん、これ、何?』
『ブッセ。クリームがあっさりしてておいしーの!』
『加乃さんのマロングラッセもあるでー』

わいわい云いながら弁当をつつく。
大概のものは舞台中も飲食OKなのだそうだ。
写真撮影も芝居のときはダメだけど、歌謡ショーになったら
いいらしい。

まず、どんな流れなのかも分からないので
開演を待つしかない。しかし周りはかなり濃い〜メンツが
揃っていた。

金髪のウルフカットのばあちゃん。
パンチパーマの、これもばあちゃん。

『あれー、久しぶり!』
『そこの席なん?こっちおいでー』
なんて皆が声かけ合ってる。みんな、身内か。
前の方の夫婦は家から弁当詰めて持ってきてるしー。

お馴染みさん同士の中でぽつんと浮く6名。

気がつくと、周りの客にガン見されてる。
しかも指差してヒソヒソ話されてるしー。
すごいアウェー感を感じながらひたすら待っていると
舞台ではマイクテストしてるらしい。

『ワンツー、ツー、ツー、ツー』
幕の内側ではかなりバタバタしている様子。

そしていよいよ開演!

江南スタイルの音楽が響き、幕は開いた!


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まずは顔見せを兼ねて1人ずつ踊りを披露。
若手から始まり、座長の登場。

え?何で火のついた煙草持ってんの?

着流しにくわえ煙草。煙草持ってターン。
うそ。
あ、煙草投げた!

座長が舞台袖に火のついた煙草投げた途端、
にゅーっと腕が出てきてそれをすばやく拾う。
で、さささっと灰もその手でぬぐう。

涼しい顔で座長は踊りきる。

流れるように演目は進み、ちょっと歌舞伎調の
『お富与三郎』のさわりをちょびっとやって
一部は終了。

二部は人情芝居。

あらすじは次の通り。

********************

佐渡の一膳飯屋が舞台。
3年も行方しれずになった夫を待ちながら
舅(ジイ)と幼い息子とともに暮らすおみつ。

憎からず想っている柏崎の伍作の
求愛を受け入れられないでいる。

そこへ夫の仁太郎が戻ってくる。
記憶を失くしていて音信不通だったのだが
自分がいない間に頑張ってきたおみつの
気持ちをくんで、仁太郎は一芝居打ち、
伍作との新しい人生を進めるように
おみつの背中を押してやるのだった。

********************

ジイと孫の別れの場面では客席から
鼻をすする音がチラホラ。
ジイと仁太郎との掛け合いは
ボケ倒して客席を爆笑にもっていく。

たぶんほとんどがアドリブだろう。
泣き笑いのあとは第三部、歌謡ショー!

座長。お見それしました。
全ての演目で踊り方が違う。

そしてお約束のおひねり贈呈!
我々は初めて見た!
やっぱり実際にあるのねー。

座長の胸元には福沢諭吉がピン留めされているし
客が手渡した差し入れの紙袋を持ったまま
座長は華麗に踊るのだった。
これぞ贈った側へのファンサービス。


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舞台での踊りの振りを真似て座ったまま踊るばあちゃん。
大音響の中、うたた寝するばあちゃん。
いかつい格好なのに芝居の泣く場面で号泣してたじいちゃん。
自分の目の前に演者がやってくるたびに
最前列から身を乗り出して拍手するばあちゃん。

どれもこれもいい顔。
これにはまる理由が少し分かったような気がした。

思っていた以上に楽しめたようで
満足した6名はそのまま今夜の宿、不死王閣へと向かったのだった。


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夕食後、部屋での宴会は大盛り上がり。
お座敷遊びの『金毘羅船船』があんなに盛り上がろうとは
思いもしない銘子であった。
総当り戦で優勝は牧子さん!見事商品をget !
宿の前の川に飛び交う蛍を見られたのもラッキーだった。

当たり前じゃん、カリスマ添乗員の銘子様、
昨日までは1〜2匹だった蛍、5匹ほどに
増やす、この力量!(って偶然だけど)

翌日も池田を散策。
小林一三記念館(阪急電鉄生みの親)も覗いてみた。

このひと、阪急電車走らせて、宝塚歌劇やら阪急百貨店作って、
沿線の宅地開発もやったんだよねー。
えらいよねー。


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さらに向かう先は、チキンラーメン記念館!
池田には小林一三も安藤百福もいたのよねー。
恐るべし池田!

で、予約しておくと、チキンラーメンを麺打ちから
作れる体験工房があるので銘子はこれを押さえておいたのだ。


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粉を混ぜ、麺を延ばし、味を付けるところまで
各自がやり、最後の『揚げ』はお任せする。


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わー、出来てる。


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各工程の合間に袋に絵を描いて、これに入れてもらって
出来上がり。


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濃い、濃すぎる旅行が終わった。。。
梅田での打ち上げには志保さんも合流。

打ち上げも盛り上がり、二次会も開催。

またやろーね、気をつけてねー、
帰るまでが旅行です、などとと云い合いながら
解散して2月から構想練った
『大人の修学旅行』が終わったのでした!

お疲れ様!

長い長いお話、読んでくれたあなたも
お疲れ様!


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2013年11月13日

迷走!リフォーム



先日、銘子は近くの大型ショッピングモールにある
水回り専門リフォームのショールームに行って来た。

ちょっと前に嫌な水道屋を呼んだあたりから給湯器の調子が悪い。

思い切って給湯器、トイレ、洗面所、ユニットバスの
総入れ替えをしようと決めた。
築10年を越えたマンションで、そろそろリフォームに
入っている部屋が増えていた。銘子もそろそろ、とは
思っていたのだが、給湯器のパワーダウンがきっかけで
具体的に考えるようになったのだ。

まずは『水回り専門店』数社に見積もりを出すことにした。

消費税値上げで来春までに駆け込み工事が増えることを
考えると早めに手配した方がいいんだろか、しかし
駆け込みで工事が立て込んで雑な工事をされる可能性もある。
消費税値上げ後も、そのぶん値下げするなりで企業努力も
あるだろうから慌てなくてもいいかも…

色々考えながらとりあえず、相場ってものを知りたくての
見積もりであった。

混雑するモール街。

その店先には誰もいなかった。暇そうなおねーさんたち。

とりいそぎ、相談に乗って欲しい旨を伝えるとおねーさん、
どんなのが希望か、と要望を聞いてくる。
まずはして欲しいことを全部云ってみた。

熱心に聞きながらメモしていたおねーさん、

『では、担当のものが実際にお伺いしてお見積もりに入ります』

あ。そうなの?
ここでは見積もりはまだ出来ないってことね。

『担当者が今日中にお伺いする日の打ち合わせの連絡を
入れますので何時まで連絡可能でしょうか?』

『携帯電話なのでいつでもいいですよ』



銘子は買い物に出かけた。
ちょうどレジで支払をしているときに電話が鳴った。

出られなかったので支払を終えて店を出てから
折り返し電話を入れると要領を得ないおにーさんが出た。

『担当者は A ですか?それとも B ですか?』

担当者の名前を云わないとつなげないような云いぶりである。

『え?私は担当者から連絡が入ることは聞いていましたが
どの方が担当されるか知らされておりません』

『あ‥そうなんですか。ではしばらくお待ち下さい』

軽い肩すかし。

再び、頼りないおにーさん。

『あの。担当者が他の電話に出てますので折り返し電話します』

これからも買い物を続けるつもりだった銘子は
また電話に出られないことがありそうだったので
翌日の昼頃に連絡もらえるように頼んで電話を切った。

『あ…はい。折り返しではなく、明日の、昼。あ、はい』

何だか銘子は嫌な予感がしていた。

翌日の15時過ぎ。
銘子は連絡が入っていないことに気づいた。
昼はとっくに過ぎてる。やっぱりいい加減な店なのかなー?

16時前。携帯が鳴った。

『あの。明日のお昼に(って今日だろ?)電話するように
伝えられていたんですが、あの、ちょっと。で、今お電話
させていただいてます』

『あー、そうなんですか』

『で、ご要望は?』

え?要望は昨日、おねーさんに全部云って来たぞ。
え?もしかして…

『あの。要望って、見積もりの希望日のことですか?』

『はい』

『あーそう』

また嫌な予感。

見積もり当日。銘子は体調不良で会社を休んだ。
夕方、なんとか起きられたので19時の約束までに
簡単な支度をした。

ずっとベッドに寝ていたのでシャワー浴びて、浴室をざっと
掃除して待った。

19時5分前。近所まで来て待っているのだろうか。
19時。音沙汰なし。

19時10分。音沙汰なし。
19時20分。音沙汰なし。

もし約束の時間に遅れることがあれば普通の営業マンなら
その連絡を入れるはず。

19時25分。銘子はその店に電話を入れた。
おねーさんが出た。

『あのー。7時にお見積もりに来られるということで
お待ちしているのですが連絡もないのですが、どうなってるのですか』

『え』

『あの。****さんと7時にお約束をしていて…』

『あ!少しお待ち頂けますかっ?』

銘子が待っていると電話に出たのは男性の声。

『あの。****です』

え?なんでうちに来ないでそこにいるの?

『実は予定は入れていたのですが、忘れてしまっていて…』

わ・す・れ・て・しまっていて ???

それを素直に云うか?

銘子は静かに電話を切った。

見積もり前に終わってしまった。
次のお店はちゃんと来てくれるだろうか?

リフォームは完成するのか?
出だしが悪いので迷走しないよう、銘子は祈るのであった…。

〜この話はハックションである〜




posted by Avril at 21:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 愛の立ちくらみ劇場

2013年11月10日

美容室漂流記


銘子は美容室が苦手である。
昔は半年ほど放置して伸び放題、なんてことを繰り返していた。
ストレートロングなら何とかなったのだ。

しかし年齢とともに増え続ける白髪をどうにかせんといかん。

仕方なしに銘子は美容室に足を運ぶ。
でもどうしても馴染めずにその店に続けて行くことができなくなる。
嫌な気持ちになってしまうのだ。

例えば、シャンプーを終えて席に戻るさいに、居酒屋並みのデカイ声で
『お疲れ様でした〜!』『お疲れ様でした〜!』『お疲れ様でした〜!』
連呼される。

更に、シャンプーのときに首に巻かれるケープが異常に臭い。

『自分さぁ〜』息子くらいのスタイリストにタメグチで話される。

シャンプー後、アシスタントの女の子がマッサージしてくれるが
ことごとくツボを外される。余計に疲れるってば。

店内のトラブルか何かでイライラしてその気分のまま接される。

確かこのときの担当スタイリストのおねえさんは、銘子の前髪の
束を間違ってかなり短く切ってしまった。

切った瞬間、そのおねえさんが『ひっ!』と小さな悲鳴を上げたのを
聞いたので手元が狂ったのは間違いない。

その挙げ句に開き直ったお姉さんは
『この長さに合わせていきますね〜』と云いきり、銘子の前髪は
建物の庇(ひさし)のように申し訳程度の長さに仕上がったのだ。

またあるときは、スタッフが隠すのを忘れた自分のカルテの『話題』の欄に
『料理、酒の話』と書いてあったのを見た。
そういえば、ドライヤーかける間だけついてくれたアシスタントさんが
いきなり料理の話を振って来て不思議に思ったことがあった。
そのカルテを見て銘子は何だか白けたのであった。

ことごとく銘子は居心地のいい店がなくて漂流し続けている。

つい最近、銘子は新しいサロンをネットで探して予約した。
ここはスタイリスト2人だけの小さな店。
シャンプー後に大きな声で『お疲れ様』コールされることもないだろう。
アシスタントがいないから自身でシャンプーブローしてくれるだろう。
下手なシャンプーに頭皮が火傷するかと思うほどドライヤーを
近づけることもないだろう。

しかし店を入った瞬間、何となくそのまま店を後にしたくなった予感は
…当たってしまった。

担当してくれたおにいさん。服装から受ける感じが何となく不潔。

ともかく髪をどうするか聞かれたので、クセがでてまとまらなく
なって来た前髪をどうにかしたいのと白髪を染めたいというと
『じゃあ、前髪だけ縮毛矯正かけて、全体を染めていきましょう』

施術が始まった。

ふと見ると、おにいさんの腰につけたバッグに入ったハサミや櫛が汚い。
そして顔についた細かな髪の毛をはたく為のブラシを見て
銘子はどん引きした。

『これで私の顔を…?』

以前は白色だったはずのブラシには細かな毛の破片がたっぷりと
ついていた。

シャンプーが始まった。

う…。やはりケープはカビ臭がする。

ぷっ、と音がした。ふと見やるとおにいさんはゴム手袋を装着しようと
していた。おにいさんの手は可哀想な位あかぎれていたので仕方ないと
思うのだが、銘子はゴム手袋でシャンプーされると頭皮に軽い炎症を起こすのだ。

何の断りもなくゴムでゴシゴシされ、カラーが始まった。

白髪染めのクリーム状の薬を髪に塗るのだが、
このおにいさんの塗り方がものすごく雑で、勢い良くバシバシ刷毛を
はたくので、銘子の頬にそのクリームのかたまりがべったり飛んでくるほどだった。

『後で拭きますんで』

(すぐに拭いてよ〜!という銘子の心の叫びは届かなかった)

おにいさんが雑に髪を触るので耳につけたビニールのカバーがずれる。
もう何度使い回しているのか、透明部分がほとんどなく茶色に染まった
ビニールの耳カバー。ゴムの部分が伸びているのか耳からすぐに
外れそうになる。構わずおにいさん、バシバシクリームを塗る。

最後のシャンプーで頼んでいたトリートメントを始めた
おにいさん。頭の上で何だかゴム手袋で銘子の髪をしごく音がする。
『むぎゅ、むぎゅ、ぎゅちゅ、ぎゅっ、ぎゅっ、ぐぎゅっ』
濡れた髪をゴムでしごいて大丈夫なのか???

髪を乾かしているとき、銘子は異変を感じた。

『あの…前髪だけ色が違うように思うのですが…』

『あ。違いますね。縮毛の薬を付けた部分だけ色が変わるんですよ』

…だったら最初にそれを云ってくれ。前髪だけやけに黒い。
それから2〜3分ほどおにいさんは黙ってドライヤーをかけ、
ぽつりと一言云った。

『じきに馴染みますんで』

その2〜3分の『タメ』はなんなんだ?
言い訳を考えていたのか〜?

髪を乾かした後で前髪の長さの調整が始まった。
多めの束を一気に切るからか、銘子の顔に切った髪が勢い良く
降り注ぎ、細かい髪が目の中に入る。
ハードコンタクトを入れている銘子には拷問の痛みだった。

『こんな感じで…いかがでしょうか?』

おにいさんが云うので正面の鏡を見た銘子は思わず聞いた。

『こ…これで出来上がりですか?』

『はい。あとは薄さを調整するくらいです』

『こんなに左右が歪んでいるのに?』

『あ』

おにいさん、斜めになっている左右を合わせようと
再度切り出した。何なんだ、一体。

そして仕上げに例の汚いブラシで顔をなでられた。
銘子は息を止めて我慢した。

家に戻った銘子はすぐに店のカードとおにいさんの名刺を
ゴミ箱に捨てた。二度と行くつもりはない。

銘子の住む界隈には美容室が乱立しているのだが、
居心地がよく、清潔で、きちんと対応してくれる店が見つかるまで
美容室漂流はまだまだ続くのだった。

銘子の頭皮は、ゴムの摩擦で掻きむしるほど痒くなってきていた…。

〜このお話はハックションである〜


posted by Avril at 10:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 愛の立ちくらみ劇場

2013年02月09日

ぱふぱふ〜

20130208.jpg


その日の朝はいつもと窓の風景が違った。
白い…。

雪が積もりかけていた。
うわ、自転車で会社行けるかな?
心配したが、徐々に雪の降りはおだやかとなり、やがて止んだ。

白かった地面は元の色に戻りかけている。
よかった。

安堵した銘子の目に、ベランダの柵の上にほんのり積もった新雪が
やけにきれいに映った。

『雪だるま、つくろう!』

かじかむ手を時折お湯で温めながら完成した雪だるま。

よし!目入れだ!

丸い黒いもの…周りを見回すと、さっき入れた黒豆茶の黒豆を
急須から取り出して埋め込んだ。ずぶっ。

眉毛は…細い黒いもの…っと、ふと作り立ての父親用の弁当を見た銘子は
ご飯に乗っけた細切り昆布の佃煮を指でつまんだ。

雪だるまに乗せるとあっという間に雪が茶色ににじんでいった。

いかん!汚いっ!

慌てて銘子は新しい雪で茶色を隠す。

プランターにあったローズマリーをちぎってそれらしくした。
会社で皆に見せようとiPhoneで撮影し、支度して上機嫌で
銘子は部屋を出た。

自分自身になにが起こっているか、そのとき
銘子は知りもしなかったのだ…。

(さらに立ちくらみたい方は、続きをどうぞ!
 …長いよ。 )


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posted by Avril at 13:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 愛の立ちくらみ劇場